栃木県湯西川財産区保護林のトチノキ天然林の林分構造と更新

栃木県湯西川財産区保護林のトチノキ天然林の林分構造と更新

レコードナンバー931602論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20005579NACSIS書誌IDAN00019695
著者名吉井 香南
大久保 達弘
逢沢 峰昭
書誌名宇都宮大学農学部演習林報告 = Bulletin of the Utsunomiya University Forests
発行元宇都宮大学農学部
巻号,ページ55号, p.1-11(2019-03)ISSN02868733
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抄録栃木県日光市湯西川井戸の沢の大径木トチノキからなる老齢天然林の林分構造と今後の更新の可能性について検討した。本調査地は湯西川財産区有林に属し、隣接する仲内集落の水源で、急傾斜で土砂流出防止など防災上の観点から皆伐など大規模な伐採行為を免れた保護林である。胸高断面積合計(BA)および幹本数ともにトチノキ、イヌブナ、チドリノキの3種が上位を占めた。トチノキのBAは全体の8割以上を占めており、本調査地はトチノキが優占する林分であった。胸高直径階分布は林分全体と樹種別ではイヌブナ、チドリノキにおいてL字型分布を示し、後継木となりうる幹が安定的に存在していた。一方、トチノキ成木の胸高直径階分布は明確なピークを持たず、小径木が少なかった。よって、トチノキの更新は停滞していると考えられる。トチノキ当年生実生の追跡調査では、その発生数および生存率は他のトチノキ優占林分と比較して大きく変わらなかった。トチノキの幼木は調査区全体で4個体みられ、その内の3個体が林冠ギャップ下で見られた。このことから、トチノキ幼木の定着は光環境に依存すると考えられる。以上のことから、本調査区のトチノキ後継木の定着は他のトチノキ優占林分と比較して遅延していると見なされた。しかし、本調査区はトチノキが優占して毎年種子が林床に供給されるため、自然攪乱による林冠ギャップの突発的な発生に伴う良好な光環境下においては実生が生育し、長期的に見るとトチノキが優占し続けると予測される。現在トチノキの種子採集量は昭和30-40年代の6%未満で、今後の採集者減を考慮すると現状のままで更新に問題はないと考えられる。
索引語トチノキ;更新;BA;チドリノキ;優占;林分構造;イヌブナ;本調査地;胸高直径階分布;トチノキ優占林分
引用文献数27
登録日2020年09月04日
収録データベースJASI, AGROLib

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