スギ根系が抱きかかえている土壌の量はどれくらい?

レコードナンバー
941339
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ00015507
NACSIS書誌ID
AN00125003
論文サブタイトル
台風21号が地上に残した根鉢の解体
論文タイトル(英)
How much soil does tree root system hold?
論文サブタイトル(英)
Dismantle of root-soil plates left by Typhoon Jebi
本文言語
ja
著者名
谷川 東子 ; 池野 英利 ; 藤堂 千景 ; 山瀬 敬太郎 ; 大橋 瑞江 ; 岡本 透 ; 溝口 岳男 ; 中尾 勝洋 ; 金子 真司 ; 鳥居 厚志 ; 稲垣 善之 ; 中西 麻美 ; 平野 恭弘
誌名
水利科学
別誌名
Water science
発行元
水利科学研究所
巻号ページ
65巻・6号,p.1-14(2022-02)
ISSN
00394858
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PDF(2030KB)
抄録
根鉢は,根返りに抵抗する根系の強度(root anchorage)に重要な役割を果たしているが,その質量の実測値は世界でも稀少である。また,樹木地上部との相対成長指標を用いて根鉢の質量を推定することが多いが,その妥当性を確認した研究はほとんどない。本稿は,樹木の根が自身のバイオマスよりも劇的に重い土壌を保持していることを初めて定量的に示した研究である“A quantitative evaluation of soil mass held by tree roots”(Tanikawa et al.,2021)を解説する。本研究では,2018年の台風21号が残したスギ倒木の根鉢7枚を根と土壌に分け,その質量を直接測定した。根鉢の乾重は251~3,070kgであり,そのうち8%を根が,92%を土壌が占めていた。根鉢に保持された土壌の質量は,地下部も考慮した樹木個体バイオマスの2.8倍に相当した。地下部/地上部のバイオマス比は0.26であったのに対し,地下部に根鉢土壌を加算した地下部重量は地上部重量に比べはるかに大きく,3.9倍に相当した。根系には,その質量の13倍に相当する土壌が保持されていた。このように高い土壌の質量は,樹木地上部の重みを支え,根返りを防ぐために機能していると推察された。胸高直径(DBH)などの地上部の相対成長指標は,根鉢質量をよく表わしていること,樹木の成長に伴う根系発達により,根は効率よく土壌を保持できるようになることも示された。
引用文献数
15
登録日
2022年5月23日
収録データベース
JASI ; AGROLib