関東火山灰台地(茨城県谷田部町)における地下水位の変動および水収支に関する調査研究

関東火山灰台地(茨城県谷田部町)における地下水位の変動および水収支に関する調査研究

レコードナンバー150427論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008669NACSIS書誌IDAN00366054
著者名永井 政雄
直井 利雄
鈴木 誠
宇佐美 洋三
関口 治郎
渋谷 加代子
書誌名蠶絲試驗場彙報
別誌名Technical bulletin of Sericultural Experiment Station, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries
Technical bulletin of Sericultural Experiment Station
蚕糸試験場彙報
発行元農林省蠶絲試驗場
巻号,ページ104号, p.7-46(1977-01)ISSN03853594
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抄録蚕糸試験場の移転予定地(茨城県谷田部町)内に池および湿性地があり,これらが土地利用計画,すなわち,ほ場造成や建物の建設に影響することが指摘されてきたが,その実態は明らかにされないまま経過し,すでにほ場造成や一部建物が建設されつつある。本報告は上記を背景とし,蚕糸試験場から団地全体の水収支に関する調査の要請を受け昭和48年7月以降約1年間にわたって,地下水位の月別変化を地形や灰白色粘土層の出現標高との関係において,また地下水の流れの方向や水収支を明らかにするために必要な事項について調査した結果をとりまとめたものであり,その概要はつぎのとおりである。1。灰白色粘土層の分布 6-1号団地の標高は20mから24mの範囲にあるが,42地点のボーリングによって調査した結果,不透水性の灰白色粘土層は地表下1。2mから3。5mの範囲において出現し,標高では18mから21mの範囲であった。地表と灰白色粘土層との標高の間は,団地全体では規則性は認められないが,局部的には地表標高と灰白色粘土層の標高とが平行していた。一方,6-2号団地の標高は22mから25mの範囲で,灰白色粘土層の出現標高は19mから22mの範囲であった。そして両者の標高は並行的であることが認められた。2。土壌の性状 6-1,2号団地の土壌は比較的均質の関東ローム層で,土壌の透水係数は10sup(-2)~10sup(-3)(cm/sec)であった。土壌の三相分布では,固相率が上層でやや大きいが,15。6~25。5%の範囲内にあった。また,液相率が大きく,地下水位の上昇時期には過湿状態になることが認められた。さらに土壌の孔隙分布は,乾性土壌の上層で30~100μの占める割合が大きいのに対し,乾性土壌の下層および湿性土壌においてはそれぞれが小さい結果であった。3。地下水の変動 6-1号団地内の42地点の地下水は,7~9月および1月に数地点を除いて,年間を通じて認められた。地下水は灰白色粘土層の傾斜に左右されているものとみられ,流れの方向は,池の西側では南および南西に,また池の東側では,西南および南西に,また池の東側では,西南および東南であろうと推察された。4。 池の水位変化と地下水との関係 池の水は周辺からの地下水の浸入および用水からの溢水によるものとみられたが,降雨直後に水位が上昇し,その後に下降した。しかし,池の水位を人為的に下降させた際に,池周辺の地下水の下降がかなり遅れることが観察され,逆方向への地下水の流れはかなり緩慢であることが認められた。5。土壌水分の変化 6-1号団地No7地点およびNo41地点で観測した土壌の水分張力(pF)は2。0以下で経過する期間が長く,pF1。0以下も観察された。この値は地下水位の高低ならびに降雨量に影響されていることが認められた。谷田部地域の日蒸発散量の最大は5月で約4mm,地下補給水量がないものと仮定した場合の土壌水分の減少は7月から9月にかけて約120mmと推定された。6。植生の特長 6-1号団地の池西側には,ハンノキ,タラノキ,シダ類ドクダミなどの湿生地を好む植物でアカマツ林やクヌギ,ナラ話内に混在,あるいは群生するほか,団地全般にわたってアカマツ林内には,アズマネザサやススキが多く観察された。また,池の北西に位置する荒廃畑には,ノゲシ,セイタカアワダチソウ,アレチノギク,イヌビエ,イヌタデ,ジシバリなどが群生をなしていた。6-2号団地の植生はアカマツが中心で,クヌギ,ヌルデ,アズマネザサ,ススキ,ヨウシュヤマゴボー,セイタカアワダチソウなどが観察された。
索引語茨城県;火山灰土壌;関東地方;地下水;地形;水収支
引用文献数10
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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