チャイロマルハタ仔魚の遊泳・摂餌関連形質の発達

チャイロマルハタ仔魚の遊泳・摂餌関連形質の発達

レコードナンバー570406論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20005417NACSIS書誌IDAA0070835X
著者名成澤 行人
河野 博
藤田 清
書誌名Journal of the Tokyo University of Fisheries
別誌名東京水産大学研究報告
Tokyo Suisan Daigaku kenkyu hokoku
Journal of the Tokyo University of Fisheries
J. Tokyo Univ. Fish
発行元Tokyo University of Fisheries
巻号,ページ84巻・ 2号, p.75-92(1997-12)ISSN00409014
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抄録熱帯海産魚であるチャイロマルハタのふ化仔魚から稚魚までの遊泳・摂餌機能にかかわる形質の形態発育を詳細に記載した。さらに、チャイロマルハタの初期生活史の種特異性をより明らかにするために、同じく熱帯海産魚であるアカメとサバヒーの遊泳・摂餌関連骨格の発達を調べ、3種の比較を行った。遊泳機能に関する形質の発達に基づくと、チャイロマルハタ仔魚は以下の3段階に分けられた;1)遊泳能力のほとんどない段階(未発達期:ふ化から日令13まで);2)すべての鰭が出現し、突進能力と操縦性が同時に、しかしゆっくりと発達する段階(全鰭出現期:日令14から34まで、ただし遊泳能力によって日令25で前期と後期に分けられる);3)稚魚の遊泳能力が獲得される段階(完成期:日令35以降)。摂餌機能に関する形質の発達では、以下の4段階が認められた;1)ほとんど摂餌能力のない段階(未発達期:ふ化から日令9まで);2)口腔を形成する形質が出現し、吸い込むカで摂餌する段階(形質出現期:日令10から25まで、ただし吸い込み能力によって日令20で前期と後期に分けられる);3)咽頭歯の増加と口腔を形成する形質の化骨の開始で、くわえ込む能力が発現し、吸い込み能力も増す段階(化骨期:日令26から34まで);4)稚魚としての摂餌能力の備わる段階(完成期:日令35以降)。さらに、アカメ、サバヒーとの比較によって以下のことが明らかとなった。1)チャイロマルハタの遊泳・摂餌機能はアカメ型に属する。2)チャイロマルハタの遊泳・摂餌機能に関する形質の発現時機は、アカメに比べるとかなり遅い。3)チャイロマルハタでは尾鰭、脊椎骨、不対鰭、対鰭が同時に発現し、しかも時間をかけてゆっくりと発達するのに対し、アカメではまず尾鰭と脊椎骨、不対鰭が出現・発達して突進的遊泳をし、次いで対鰭が発達することで繰縦性を備えるという機能的発育が、短い期間に認められた。4)吸い込みに加えて、くわえ込みと噛み付きの摂餌様式が添加される時機も、チャイロマルハタではかなり遅い。5)稚魚としての遊泳・摂餌能力を獲得するのは、アカメでは日令18~20であるのに対して、チャイロマルハタでは日令34~35である。本研究で明らかとなったチャイロマルハタ仔魚の遊泳・摂餌機能に関する形質の発育様式は、アカメ、サバヒーとの比較の結果、仔魚の生残には不利であることが判明した。さらに、この特性がチャイロマルハタの初期飼育の難しさの一因であると考えられた。
索引語発育;運動;摂餌;稚仔;形質;硬骨魚類
引用文献数40
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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