農地価格下落下の「買い手の論理」
農地価格下落下の「買い手の論理」
レコードナンバー | 610435 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00013929 | NACSIS書誌ID | AN00121352 |
論文副題 | 北海道別海町を事例として | ||
著者名 | 石川 啓雅 加藤 光一 | ||
書誌名 | 信州大学農学部紀要 | ||
別誌名 | Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University | ||
発行元 | 信州大学農学部 | ||
巻号,ページ | 36巻・ 2号, p.49-64(2000-03) | ISSN | 05830621 |
全文表示 | PDFファイル (1432KB) | ||
抄録 | 本稿は,農地価格下落下の農地の「買い手の論理」を明らかにすることを目的にしている。個別具体の実証として,大規模装置型酪農地域である北海道別海町を事例としている。別海町は,今日,農地の維持管理がもっとも危ぶまれている地域の一つであり,それ故に,農地価格問題は従来とは違った様相をみせている。本稿で明らかにした点を要約すれば,以下の通りである。(1)別海町酪農の展開過程を経営規模の拡大,負債問題,土地問題という点から整理した。とりわけ,生産構造の歪みと負債問題に注目し,それらが土地問題に起因するものである点を指摘した。(2)別海町の農地移動の状況と農地価格の動向・水準を整理した。従来の個人売買にかわって,「公社」を経由した売買が多くなっている点を指摘し,農地価格が,農業不況を反映して下落傾向にありながらも,農協の「負債整理価格の論理」によって下げ止まりの様相を呈していることを明らかにした。価格水準が下落傾向にあるにもかかわらず,農民に割高感を抱かせている。(3)実態調査の結果をもとに,農民の農地取得の論理を明らかにした。規模の小さい農家は経営の集約化,規模の大きい農家は飼養頭数規模の拡大を前提とせずにコスト・ダウンを図る,という論理が働いている点が明らかになった。総じて,経営の大小にかかわらず,規模拡大ではなく,集約化の論理が働いている点が明らかになった。総じて,経営の大小にかかわらず,規模拡大ではなく,集約化の論理が働いている点を指摘した。(4)かくして,残された課題は次の二点である。第一に,「労働価値説」の立場から,地代や地価の算定方法の追求,第二に,売り手の論理も含めた,農地市場における需要構造の解明,である。 | ||
索引語 | 点;論理;農地価格下落下;別海町;規模;経営;指摘;集約化;農地;買い手 | 登録日 | 2011年03月05日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |