山梨県における果実の宅配便産直の実態とマーケティング手法の適用

山梨県における果実の宅配便産直の実態とマーケティング手法の適用

レコードナンバー630512論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00009438NACSIS書誌IDAN10045523
著者名大久保 樹
佐野 研一
相川 勝六
下山 禎
藤島 廣二
書誌名山梨県総合農業試験場研究報告 = Bulletin of the Yamanashi Agricultural Research Center
別誌名Bulletin of the Yamanashi Prefectural Agricultural Research Center
総農試研報
発行元山梨県総合農業試験場
巻号,ページ10号, p.7-18(2001-03)ISSN09108335
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抄録山梨県内で取り組まれている宅急便産直を対象に行った実態調査および、各種マーケティング手法の農業分野への適用について検討した結果、以下のことが明らかになった。 1.概況調査から、宅急便産直を経営の基幹とする農家は、県中西部地域の果樹地帯に多く見られた。その平均的な経営規模は顧客数で1,000人前後、収入の安定化を目的に宅配に取り組み、ブドウを中心にした経営が半数を占めていた。また、販売促進のため年賀状等の郵便物を送付する農家が多く、販売チャネルとして宅配便のみに特化している農家は2割にとどまった。今後の取り組み姿勢としては、規模拡大を望む農家が多かった。 2.優良経営4戸に対する面接調査から、経営規模の大小により販売管理方法に差が見られた。相対的に経営規模の大きい農家は、県外を中心に広告等を活用した積極的な顧客開拓を行い、必要に応じて仕入をしていた。一方、中小規模の農家では、人的つながりを活かした顧客開拓が中心で、取り扱う商品も自経営から生産されたものにこだわり、仕入はほとんど行っていなかった。 3.RFM分析を利用した顧客分類の結果、全体の1~2割程度である高ポイント層の顧客による購入額が売り上げの過半を占めており、こうした顧客に対して他と差別化したサービスを提供することは、安定的な収入源の確保につながる。一方、案内状の発送コストなどを合理化するため、ほとんど購入実績のない顧客を台帳から外すための基準を調査した。しかし、調査期間の不足から基準は明確にできず、少なくとも4年程度は台帳に残すべきとの結果にとどまった。 4.顧客カードの回収率は最低でも2割で、商品等に同梱して実施する一般のアンケート調査と同程度以上の回収率を確保できた。ただ、農家にとって最もインパクトが大きかった回答は、調査の本題ではない「自由意見欄」からの意見であり、カードの利用目的や各農家のニーズに合わせた設問については、今後とも検討を要する。 5.コンジョイント分析から、東京都を標的市場とする場合には、1~2kg入り・複数品目の詰め合わせた商品を充実させたDMなどを用いた販売、甲府市の場合には2~3kg・単品目の商品を充実させた店頭申し込みによる販売が、それぞれ有効であることが示唆された。また、当手法の使用に当たっては、分析方法に関するある程度の知識や費用の負担が必要になるため、農協等の販売組織での利用が現実的である。
索引語果実;産直;販売;山梨県
引用文献数6
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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