施設土壌における塩類集積の現状と低硫酸根緩効性肥料による化学ストレスの改善

施設土壌における塩類集積の現状と低硫酸根緩効性肥料による化学ストレスの改善

レコードナンバー630991論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20011749NACSIS書誌IDAN00195767
著者名中野 明正
上原 洋一
山内 章
書誌名日本土壌肥料學雜誌 = Journal of the science of soil and manure, Japan
別誌名日本土壌肥料學雜誌 : 土壌・肥料・植物栄養
Japanese Journal of Soil Science and Plant Nutrition
日本土壌肥料学雑誌
発行元日本土壌肥料學會
巻号,ページ72巻・ 2号, p.237-244(2001-04)ISSN00290610
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抄録現在の我が国各地における施設土壌の化学性を調査した.また,圃場試験によって,施設生産土壌の化学性の改善に有効であると考えられるイオンストレスを軽減した肥料が,トマトの収量および品質に与える影響を調査した. 1)全国7件(佐賀,山口,香川,愛知,岐阜,静岡,群馬)の施設土壌(合計89点)の1:5土壌抽出液を分析した結果,施設土壌では,肥料の残留に由来すると考えられる塩類が,露地に比べ6倍程度集積していた.また,硝酸イオンだけでなく硫酸イオンの集積も全国的に進行していた. 2)過剰の硝酸イオンと硫酸イオンを制御することを目的とし,低硫酸根緩効性肥料(Low-sulfate slow-release fertilizer:LSR)の使用を試みた.LSR施肥によってpHは酸性からより中性に近づき,ECも低く保たれた.イオン組成の中ではLSRの施用により,硫酸イオンの残留が抑制される傾向にあった. 3)このような土壌化学性の改善はトマトの収量と品質に影響を及ぼすことが明らかにされた.3年間にわたる連作の間,LSR施肥区の尻腐れ果発生率は一貫して対照区に比べ低く抑えられる傾向にあった(平均尻腐れ率:対照33%,LSR23%).収量に関しても,連作3年目には,LSR施肥区が対照区の約1.2倍になった. 4)このような収量と品質の差は,根圏における化学ストレスまたは水ストレスの差異に起因するもとの考えられた.すなわち,出液速度もLSR施肥区で高く維持されていた.これらのことは,残留肥料成分が水または肥料成分の地上部への移行を減少させトマトの収量および果実品質に影響を与えたためと考えられた.
索引語施設栽培;土壌;塩類;緩効性肥料;トマト;硫酸塩;ストレス
引用文献数17
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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