ポリエチレンネットを利用したポットによるモモの根域制限栽培法

ポリエチレンネットを利用したポットによるモモの根域制限栽培法

レコードナンバー631319論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20005535NACSIS書誌IDAA11207618
著者名松波 達也
吉岡 正明
平井 一幸
ほか2名
書誌名群馬県園芸試験場研究報告
別誌名研究報告
発行元群馬県園芸試験場
巻号,ページ6号, p.7-38(2001-03)ISSN1342453X
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抄録ポリエチレンネットを利用したポットにより、モモの根域制限栽培法を検討した。その特徴は、次の通りである。 (1)10a当たりの収量は、6年生樹で2,000kg台に達し、11年生樹までこの傾向を維持しており、露地栽培と同程度の収量を確保でき、2年程早く成園化が図れる。 (2)平均1果重は、露地栽培より30g程度少なく、やや小玉化する傾向を示したが、糖度は1.5%上昇し、渋味果の発生もなく、品質が向上する。 (3)新梢の発生数は、年次を経るほど多くなる傾向を示したが、年間総伸長量は6~11年生樹で80~100mとほぼ安定し、樹勢は衰弱することなく中程度を維持している。 (4)適正土壌容量は、新梢生育量、収量および果実品質から判断して200~250lである。100lは糖度は高いが生育がやや弱く、7年生樹で収量や樹勢が低下し、380lは糖度がやや低く、増収が期待できず、樹勢が強大化する。 (5)窒素の年間施用量は約5g/土壌10l、堆肥は約20l/ポットで、堆肥のマルチ施用が重要と考えられる。窒素の溶脱量は施用量の1/3~1/5で、地温は露地栽培より2~3℃高めに推移するが、35℃を越えることはない。 (6)11年生樹の掘り上げ解体調査で、細根の比率が根全体の18%を占めている。新根では太根の発生がなく、細根は54%に達し、吸収根と根毛の発生密度が極めて高い。 (7)幹周は、11年生樹でも露地栽培の5年生樹と同程度で、横断面を比較すると皮層部が1.6倍厚く、年間の肥大量を示す木質部は42%の厚さに抑制される。 (8)断根は10年生程度まで必要ないが、土壌の表面に育苗マットを敷いて堆肥を充填し、この部分で根を培養して、マットごと剥がし取る断根法は簡易であり、根域制限栽培に有効である。 上記の樹勢や収量維持、糖度上昇などの原因は、地下部での細根密度の高まりが、地上部の生育に影響を及ぼして、徒長枝の発生がほとんどなく、結果枝の構成を中果枝主体とするためであり、この結果、主幹の皮層部が厚くなり、果実への養分分配率を高めていると推察される。 本栽培の導入により、樹高を2m程度に抑えることも可能で、脚立が不要となる。また、断根が容易で、ポットごと移動も可能である。このため、露地はもとよりハウス内での栽培、連作障害園や土壌病害発生園での栽培を可能とする新しい栽培法である。
索引語モモ;ポット;根圏;栽培;ポリエチレン;網
引用文献数29
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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