耐雪性スギの育種

耐雪性スギの育種

レコードナンバー641142論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008720NACSIS書誌IDAA11657691
論文副題在来遺伝資源「飯豊スギ」を活用した耐雪性スギ採種園造成に向けた検討
著者名川上 鉄也
書誌名福島県林業研究センター研究報告 = Bulletin of the Fukushima Prefectural Forestry Research Centre
別誌名Bull. Fukushima Pref. Forestry Res. Ctr.
福島林研研報
発行元福島県林業研究センター
巻号,ページ34号, p.1-28(2001-12)ISSN13471406
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抄録1.既往耐雪性試験地の林齢8年時、林齢28年時の耐雪性形質調査を行った。林齢8年時調査の結果、飯豊、吾妻、本名の3天然スギの樹幹長は供越精英樹と比較して相対的に小さかった。林齢28年時では、3天然スギの枯損率、傾幹幅は、供試精英樹と比較して相対的に小さかった。 2.飯豊スギを供試した既設試験林等と飯豊スギに関する既報告の再整理を行った。試験林は44箇所の設定があり、乱塊モデルでの設定が9箇所、残りの35箇所は単木混交か、もしくは列状植栽で反復設定がなかったが、クローン識別の活用によって反復設定のない試験地でも、不均等数構成の単木混交植栽の飯豊スギクローン検定林として利用できる。また、既報告は、飯豊スギ天然林に関するもの、昭和55年12月豪雪災害(クリスマス豪雪災)に関するもの、耐冠雪性に関するもので、これまでに3件あった。 3.アイソザイム分析を用いて、飯豊スギによる豪雪地人工林優良林分のクローン構成の推定を行った。その結果、優良形質木上位20個体は15のMLG(Multi-locus genotype)に区分された。 4.9酵素12アロザイム遺伝子座を用いて飯豊スギ集植保存集団の構成クローン数を推定した。その結果、450保存個体は92のMLGに区分された。 5.県民有林選抜精英樹のクローン識別を試みた。その結果、精英樹67クローンのうち38クローン(56.7%)はクローン独自のMLGを有しておりアロザイム遺伝子座による識別が可能であった。 6.飯豊スギ集植保存集団、県民有林選抜精英樹集団の遺伝的変異を比較した。その結果、両集団とも同程度の遺伝的変異を保っていた。飯豊スギにおいては、東北地方日本海側に分布するスギ天然林に特徴的な対立遺伝子が観察された。会津産精英樹は選抜数が少なく、集団の遺伝的変異も小さかった。中・浜通り地方選抜の精英樹で構成された、本所・新地・大信の3採種園の構成ラメートの遺伝的変異は平均的な値と比較して、若干の減少はあるものの、25型採種園としては、良く遺伝的変異を保っていた。 7.遺伝子供給源としての飯豊スギ天然林の遺伝構造を調査した。その結果、母樹集団についてはハーディー・ワインベルグ平衡が認められた。また、稚樹集団については、ハーディー・ワインベルグ平衡は認められず、無性繁殖によるクローンが集団を形成していた。さらに、尾根部を2m毎にラインサンプリングした結果、希な遺伝子型はスポット的に現れるか、2~6mの範囲で現れた。今後の飯豊スギ天然林からの遺伝資源収集法について検討した。 8.低コスト、小規模化が可能なミニチュア採種園では、ジベレリン葉面散布による着花促進が必要なため、飯豊スギのジベレリン葉面散布処理による着花の最適条件を検討した。その結果、散布時期は散布適期の早期、すなわち7月期(7/5~7/31)にかけて薬剤濃度1回目が50ppm、2回目が100ppmの2回散布が適当であるという結果を得た。 飯豊スギの雌雄花着花性が確認され、集植保存個体の構成クローンを多数推定できた結果、遺伝的変異に留意し、多数のラメートを組み入れたミニチュア採種園方式の耐雪性スギ採種園の設計が可能となった。
索引語スギ;抵抗性育種;雪;採種;遺伝資源;福島県
引用文献数24
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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