クロマツ海岸林の保育管理と防災効果

クロマツ海岸林の保育管理と防災効果

レコードナンバー641143論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008720NACSIS書誌IDAA11657691
著者名今井 辰雄
川口 知穂
大槻 晃太
ほか1名
書誌名福島県林業研究センター研究報告 = Bulletin of the Fukushima Prefectural Forestry Research Centre
別誌名Bull. Fukushima Pref. Forestry Res. Ctr.
福島林研研報
発行元福島県林業研究センター
巻号,ページ34号, p.29-43(2001-12)ISSN13471406
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抄録夏井川河口の南横手、川前、浜街においてクロマツ海岸林の実態調査を行った。この結果、落葉層が厚く堆積し土壌も未熟で理化学的性質も不良であった。クロマツの生育は汀線より10m以内が特に風と塩分の影響を受け中心部のマツより樹高で57~72%、直径で67~80%、枝下高で63~77%の成長範囲に留まった。また、梢端枯れも汀線より5~10mに集中し南横手では88%に達した。針葉も黄・赤変したものが多く、ツル類による被圧木も10m以内と通路および県道側に集中した。 植生調査では主林木のクロマツ以外にニセアカシアが、亜高木としてトベラが侵入し、下層にはネズミモチ、タブノキ、シロダモ等が出現した。調査3年目の植生は34~78種に達した。 塩分量は季節風の影響を受け夏季で多く冬季で少ない実態にあったが、多くは防風柵内のクロマツ林に入ると減少した。防風柵のない通路等ではこれより先20~30mまで影響を受けた。また、林帯の無い河口では上流側に150m以上に亘り影響を受けるが、ただ、これらは通常の風速が3~4m/s以下のときであり、強風時ではさらに内陸域に達するものと考えられた。 庇陰試験による各樹種毎の成長と地上部重の関係では相対照度が高くなるに従って増加する傾向にあった。最も良好な成長を示したのはトベラの相対照度100%で1,378g、ネズミモチ60%で563g、タブノキ100%で376gとなり、モチノキは100%で202gと低くかった。 一方、各樹種と葉面積の関係では、各処理区で最大となった順位はトベラの相対照度100%で11,828cm2、ネズミモチ100%で5、842cm2、タブノキ60%で4,287cm2、およびモチノキ30%で2,599cm2であった。 各樹種の平均的な葉面積はそれぞれ8,100cm2、3,500cm2、3,300cm2、2,000cm2でトベラはモチノキの4倍に達した。以上のことから4樹種ともクロマツ林分の適切な除・間伐を前提条件に林内の光環境を30~20%に整備するなら、クロマツ―照葉樹の複層・混交林化は十分可能で、クロマツ林分の補完的な塩分捕捉に貢献できるものと考えられた。
索引語クロマツ;防災;効果;森林;海岸;塩分
引用文献数10
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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