環境調和型森林病害制御技術に関する調査

環境調和型森林病害制御技術に関する調査

レコードナンバー641144論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008720NACSIS書誌IDAA11657691
論文副題ヒノキ漏脂病被害発生の推移と発生誘因調査および防除法の検討
著者名在原 登志男
川口 知穂
書誌名福島県林業研究センター研究報告 = Bulletin of the Fukushima Prefectural Forestry Research Centre
別誌名Bull. Fukushima Pref. Forestry Res. Ctr.
福島林研研報
発行元福島県林業研究センター
巻号,ページ34号, p.44-65(2001-12)ISSN13471406
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抄録1.ヒノキ漏脂病の発生状況を経時的に把握するため、調査林を設定して病徴の推移等を調査した。その結果、樹幹に縦長の溝を形成する被害の発生形態には2通り存在することが示唆された。1つ目は、いわゆる漏脂病の発生経過で、枝の基部や幹の一部から樹脂が激しく流出する(樹脂流出型)とともに、形成層が壊死して扁平(漏脂型)となり、ついには縦長の溝を形成する(溝腐れ型)形態である。2つ目は目視的に明らかな樹脂流出を伴うことなく年輪の成長減退が引き起こされ、その後形成層が壊死して縦長の溝を形成する形態であった。また、明らかに樹幹の変形を伴う病徴の発生は、10数年生以降に現れ始め、高さ5mまでに限れば30年生後半に入ると増加傾向が鈍化した。 2.病患部を細かく玉切って円盤を採取し、樹脂のう、すなわちヤニ溜まり形成または形成層壊死部のほぼ中心に位置する部位を観察し、発病の誘因を検討した。その結果、病患部における樹脂のう形成および形成層壊死部のほぼ中心に位置する全ての円盤において、罹病方向に向かって粗皮の付着した枯れ枝の巻き込みが認められた。枯れ枝の巻き込み開始年は、樹幹の年輪数で4~16年輪(平均、10年輪)であり、年輪幅の減少が見られたのは7~25年輪(同、13年輪)、そして年輪幅の減少から年輪の欠損までの期間は0~13年で平均が5年ほどであった。 3.ヒノキ漏脂病の病原菌(Cistella菌)の発病要因をヒノキの樹勢面から検討するため、枝葉を除去し樹勢を変えた個体で接種試験を行った。その結果、樹脂流出の見られた処理は葉を除去しない(対照)か、あるいは少ない除去(60%除去)区であった。このことから、葉の除去すなわち樹勢の衰退は漏脂病を引き起こす要因とはならないものと考えられた。 4.Cistella菌接種後2年を経過した個体を伐倒し、接種部位を剥皮して罹病および非罹病の様相を観察した。その結果、樹脂流出の激しくない接種か所であっても、大部分では傷の癒合が進まず、さらに樹体内にヤニ溜まりが生じており、接種菌の影響をかなり受けていることが判明した。また、激しく樹脂流出を起こしているか所でも、ヤニ溜まりの大きさはまちまちであり、小さなものから大きなものまで見られた。さらに、ヤニ溜まりの形成位置は接種穴を中心とするものと、中心が接種穴を外れたものとが観察された。 5.野外において生枝打ち跡からCistella菌が侵入し発病するかどうかを調査した。その結果、枝打ち跡から樹脂の流出は観察されなかった。このことから、生枝打ちの切り口がCistella菌の侵入口となる可能性は低いものと思われた。 6.枯れ枝の巻き込みが本病発生誘因の一つと推定されるので、枝打ちの実施時期と被害の発生状況を調査した。その結果、枝打ち時期と被害率には有意な直線関係が認められ、早めに枝打ちするほど被害率が低かった。また、樹高が程どの程度に達すると枯れ枝が生じ、漏脂病が発生したかを見た結果、4mほどに達すると枯れ枝が生じる状態となり、これを越すと被害が発生しやすいことが判明した。
索引語ヒノキ;樹病;被害;発生;防除;環境
引用文献数16
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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