現代中国における緑化活動の展開と住民参加の性格に関する考察

現代中国における緑化活動の展開と住民参加の性格に関する考察

レコードナンバー662084論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20006294NACSIS書誌IDAA11595357
著者名平野 悠一郎
書誌名北海道大学演習林研究報告 = Research bulletin of the Hokkaido University Forests
発行元北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション
巻号,ページ59巻・ 2号, p.67-98(2002-09)ISSN13470981
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抄録本稿では、森林経営における住民参加を促す「社会林業」という概念を通じて、現代中国の地域住民が森林とどのように関わっていくべきかを考察している。過去50数年間、中国という地域では、森林の維持・拡大を目指す緑化活動が大々的に行われ、人間と森林との関わりを特徴づけてきた。歴史的な分析を進めた結果、この緑化活動は、共産党政権という社会主義統治政権による国家建設と密接に結びつけられており、上意下達の緑化政策実施システムの下に、地域住民を組織して「大衆動員」するという方法によって行われてきたことが明らかになった。この大衆動員という住民参加の形態によって推進された緑化は、国家建設を促進しつつ統治政権の存立基盤維持に寄与していた反面、基層社会において、地域住民が森林の重要性を主体的に認識する機会を提供しなかった。その結果、中国では、「森林を取り巻く認識の二重構造」が形成され、統治政権の緑化重視とは裏腹に、地域住民の消極性から森林破壊が加速していったのである。この構造が、現在でも森林との安定的な関係を築く上での根本的な障害となっている。この状況を改善するためには、今後、中国における社会林業の方向性として、従来の大衆動員という方法ではなく、地域住民の緑化への「自発的参加」を促す取り組みが求められる。
索引語住民;緑化;森林;地域;中国;社会;林業;国家;展開;経営
引用文献数67
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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