赤タマネギにおける色素発現メカニズムに関する研究

赤タマネギにおける色素発現メカニズムに関する研究

レコードナンバー672878論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015818NACSIS書誌IDAN0004334X
著者名大矢 武志
野村 研
上西 愛子
ほか1名
書誌名神奈川県農業総合研究所研究報告 = Bulletin of the Agricultural Research Institute of Kanagawa Prefecture
別誌名Bulletin of the Kanagawa Prefectural Agricultural Research Institute
発行元神奈川県農業総合研究所
巻号,ページ143号, p.13-28(2003-03)ISSN03888231
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抄録神奈川県で育成した赤タマネギ品種‘湘南レッド’及びその改良種である‘早生湘南レッド’は、わが国でサラダ用に利用される生食用タマネギの代表的な品種である。これら2品種は、いずれも食味が良いのが特徴ではあるが、生産現場では栽培条件による色素発現の変動が「色むら」として問題となっている。そこで本研究では、赤タマネギの商品性に関与する最も大切な因子としてのアントシアニン色素合成の発現メカニズムについて、品種と生育ステージによるアントシアニンの種類と発現量の違い及び色素合成・発現に関与する遺伝子群の単離及びそれらの発現パターン等について解析した。まず、‘早生湘南レッド’を含む国内外の赤タマネギ6品種のアントシアニン構成を調べた。その結果、量的な違いはあるものの、すべての品種に共通する6種のアントシアニン配糖体が含まれていた。これらのうち、主要色素のシアニジン3-マロニルグルコシド(Cy3MaG)の含有量が多い品種ほど鮮やかな赤色を示すことが明らかになった。この品種間における6種のアントシアニン配糖体の構成比率の差は幼苗段階ですでに認められることから、アントシアニン色素構成の幼苗検定によって優良な赤色色素個体を早期に選抜できる可能性が示唆された。次に、アントシアニン合成の発現に関与する環境要因とその発現調節機構について、幼苗及びほう芽苗を用いて検討した。その結果、アントシアニン合成の発現は鱗茎上葉の光刺激だけでなく、傷害応答物質であるメチルジャスモン酸によっても誘導されることが明らかになった。アントシアニン色素合成系関連酵素遺伝子群(acb)、特にカルコン合成酵素(chs)、ジヒドロフラボノール4-リダクターゼ(dfr)及びアントシアニジン合成酵素(ans)の3つの遺伝子についてのノーザン解析及びリアルタイムRT-PCR解析では、いずれの遺伝子とも外部刺激に反応して同調的に発現した。また、遺伝子発現調節因子であるMYBタンパクのcDNA断片を‘早生湘南レッド’から単離し、その発現パターンを解析したところ、同様に上記3種類のacbと同調して発現することが明らかとなり、MYBがこれらacbの発現制御に関与していることが示唆された。以上の結果から、タマネギ鱗茎に含まれるアントシアニン構成パターンは品種により異なること及び色素合成は光刺激を含む負傷刺激等に応答する普遍的調節因子により同調的に発現する酵素群により誘導されていることが明らかになった。
索引語発現;アントシアニン;色素;品種;合成;タマネギ;遺伝子;苗;刺激;酵素
引用文献数55
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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