抄録 | 1)網目選択性曲線の表現手法として、3次拡張スプライン関数、Logistic式の2曲線で表現し、Logistic式による表現ではBerkson法、ソルバー最小2乗法、ソルバー最尤法の3つの手法でそれぞれ作業性、網目選択性曲線の適正さを比較検討した。2)作業時間、労力の面ではMS-Excelアドインソフトソルバーを用いる手法が最も適しており、シート作成も容易であった。3)求められた網目選択性曲線はLogistic式で表現する方がより適正であった。4)最小2乗法で推定したLogistic曲線は、飛び離れた点に強く影響を受け実際値の分布とかけ離れた曲線をとる傾向が見られた。5)最尤法で推定したLogistic曲線は飛び離れた点があっても影響を受けず適正な網目選択性曲線を示した。6)網目選択性曲線推定手法として、ソルバー最尤法による推定が総合的に最も有効であると考えられ、パラメータ推定とグラフ作成を兼ねたモデルシートを作成した。7)モデルシートのコピーにより複数の魚種、複数の目合の網目選択性曲線の推定をおこなうことが可能となり、その実用性が実証された。8)モデルシートの論理式を変更することにより、飛び離れた点の影響を受けやすかったDeLury法による資源量推定や網目選択性曲線と同様の非線形論理式パラメータを推定するHasselblad法による年級群分類などへの応用も期待された。 |