抄録 | 1951年から1999年までの約50年間の浜名湖定点観測で得られた塩分の測定結果を整理、解析し次の結果を得た。1)浜名湖全体の塩分の変化は、S=28.55-9.67e(-0.159)で示すことができた。浜名湖全体の平衡塩分は約28.6となり、1965年以降この値を中心に変化している。2)1953年から1965年に湖内塩分は急激に上昇し、S=0.745+18.33で示すことができ、この間毎年塩分は0.745上昇したと推定された。3)1953年から1965年の海水増加量はY=7.0477X+188.96で示すことができ、年間700万トンの海水の増加があったものと推定される。4)海水と淡水の置換率(K1+K2)は0.159、海水置換率K1が0.132、淡水置換率K2が0.0267となり、年間海水置換量が4402万トン、淡水置換量が889万トンとなる。5)今切口の固定化工事により、海水置換率は4.06倍に増加した。6)各月毎の塩分変化は、1月がS=30.67-10.00e(-0.184)、4月がS=27.69-8.04e(-0.282)、7月がS=26.48-12.24e(-0.214)、10月がS=28.28-7.91e(-0.114)で示すことができ、平衡塩分は1月が最も高く、7月が最も低かった。 |