中国新彊ウイグル自治区のイネ品種の特性解明

中国新彊ウイグル自治区のイネ品種の特性解明

レコードナンバー700445論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00015503NACSIS書誌IDAA11317194
著者名長峰 司
菊池 文雄
叢花
ほか1名
書誌名育種学研究 = Breeding research
発行元日本育種学会
巻号,ページ6巻・ 3号, p.117-123(2004-09)ISSN13447629
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抄録新彊ウイグル自治区(以下新彊と略称)は、中華人民共和国の西北端に位置し、経度上は日本の中北部から樺太南部に相当する。新彊の内陸性乾燥寒冷気候は、日本などの東アジアの海洋性湿潤温暖気候とは対照的である。現在、イネは新彊の主要食用作物にはなっていないが、南部では1400年以上も前から、栽培が行われていた記録が残っている。本研究では、新彊の地方品種(16点)と改良品種(13)、日本品種(42)、中国品種(40)、その他の国の品種(85)の196品種を供試して、形態・生態的特性、生理・生化学的特性、品質・成分特性、アイソザイム多型などを調査し、新彊イネの特性を明らかにした。その結果、新彊イネは、地方品種、改良品種とも極早生・やや長稈・長穂で分げつが少なめで成育量が小さく、やや大粒で止葉がきわだって大きく、穂発芽しやすい特徴がみられた。また、エステラーゼ・アイソザイムの分析結果では、新彊の地方・改良品種のいずれもが日本品種と同様のEs-1遺伝子座の1AとEs-3座の12Aの二つのバンドをもつ遺伝子型であった。中国雲南省からミャンマー、ラオス、北ベトナムなどの多様性中心からイネが北上するに伴い、寒冷環境に適応するために、感光性を失い極端に早生化したと考えられる。このため、新彊品種は、極早生・少分げつなど、北海道品種と共通の特徴をあらわしたが、大きな止葉とやや大粒できわめて穂発芽しやすいなどの異なる特徴も持っていた。また、玄米のアルカリ崩壊性や胚乳アミロース含有量に関し、日本品種より大きな変異がみられた。自然選択や人為選抜の影響を受けにくいアイソザイム多型に関しては、新彊品種は、日本品種と同一の遺伝子型であった。このことからエステラーゼ・アイソザイム遺伝子と寒冷適応に関する遺伝子が連鎖している可能性も考えられる。
索引語品種;日本;イネ;特性;アイソザイム;中国;改良;早生;穂;性
引用文献数15
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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