アタキシン1をコードする脊髄性運動失調症原因遺伝子1(SCA1)が株化LH産生細胞LβT2に多く発現している

アタキシン1をコードする脊髄性運動失調症原因遺伝子1(SCA1)が株化LH産生細胞LβT2に多く発現している

レコードナンバー701489論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014744NACSIS書誌IDAA10936678
著者名小川 智史
相川 優子
加藤 たか子
ほか6名
書誌名The Journal of reproduction and development
発行元Japanese Society of Animal Reproduction
巻号,ページ50巻・ 5号, p.557-563(2004-10)ISSN09168818
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抄録下垂体腫瘍由来の株化細胞でLHを産生する細胞株Lβ2とLHを産生しない細胞株α3-1について、LH産生細胞Lβ2に特有に発現する遺伝子を解析するためcDNAサブトラクションクローニングを行った。その結果、既知の遺伝子に相同な複数のcDNAクローンと多数の未知遺伝子のcDNAクローンが得られた。既知クローンの中に、脊髄性運動失調症の原因と考えられているアタキシン1をコードするSCA1遺伝子があり、LH産生細胞に特有に発現していることを発見し、この発現の特異性は他の下垂体腫瘍由来の株化細胞より調製したmRNAを用いたR-PCRにより確認した。さらに、発現がLH産生細胞に特徴的であることから、雌ラットの性周期や去勢したラットについてステロイド投与によるSCA1遺伝子のmRNAの変動をR-PCR法により解析した。その結果、性周期での変動は無く、卵巣や精巣の摘除によりmRNA量はそれぞれ約2倍、3倍に増加した。卵巣および精巣摘除後のステロイドの投与は増加した量を幾分下げるものの、去勢前のレベルに減少することは無く、ステロイド以外の性腺由来因子が下垂体での発現に関与する可能性が示唆された。SCA1遺伝子の個体発生過程での下垂体での発現変動をブタの胎児および出生後の下垂体から調製したmRNAを用いて、R-PCR法で調べた。その結果、雌雄の40日の胎児期ですでにSCA1遺伝子は発現しており、雌の方が高レベルであった。その後出生までの間に発現が確認されないレベルに減少するなど激しい発現変動を示し、その様子は雌雄で異なっていた。出生後は雌雄ともに同じレベルで生後230日までの間に変化は認められなかった。以上のことから、脊髄性運動失調症の原因と考えられているSCA1遺伝子はLH産生細胞に特有に発現しており、性腺組織に存在するステロイド以外の因子によりその発現が抑制的調節を受けている事が明らかとなった。また、下垂体の発生過程での本遺伝子の発現は性差を示すとともに胎児期で大きな変動を示していた。こうした実験結果は、Boucher Neuhauser症候群(Aaxia Hypogonadism Choroidal Dysrophy)における低下垂体機能の原因解明に新知見となることが期待される。
索引語発現;遺伝子;細胞;産生;下垂体;変動;性;mRNA;ステロイド;脊髄
引用文献数26
登録日2011年12月19日
収録データベースJASI, AGROLib

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