北海道における気象変動と農業経営安定化の課題

北海道における気象変動と農業経営安定化の課題

レコードナンバー730923論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20011679NACSIS書誌IDAA11654219
著者名天野 哲郎
書誌名北海道農業研究センター農業経営研究
別誌名National Agricultural Research Center for Hokkaido Region farm management research
北海道農研農業経営研究
農業経営研究
発行元北海道農業研究センター総合研究部
巻号,ページ91号, p.53-66(2006-03)ISSN13471821
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抄録1) 北海道の農業リスクの主因である気象変動による単収変動の変動係数は20%程度であるが,それに基づく農業経営の収益変動は,農業所得では20~60%とさらに大きい。2) 農業経営を巡るリスクとしては,生産上のリスク,販売上のリスク,責任リスク,人的資源に関わるリスクといった事業上のリスクと,それに基づく財務上のリスクがある。さらに政策与件の変化などの動態的なリスクへの対応も重要である。3) 家族農業経営は消極的ながら災害に対して抵抗性をもつとされてきた。しかし今日の北海道の資本が他の家族経営では所得率の低下,自己資本比率の低下などから災害抵抗性は低下している。さらに,利潤を追求する企業経営の場合のリスクはさらに高く,リスクマネジメントの重要性は高まる。4) 農業におけるrisk control方策としては安定作物への転換・複合化などがとられてきた。また,作物共済制度はrisk finance方策として大きな役割を果たしてきた。今後も品目横断的な経営安定化政策との整合的な形での展開が求められる。また,先物市場を利用した価格hedgingや天候デリバティブなどは新たなrisk finance手法として注目される。今後重要なリスクマネジメント問題としては,農業経営の存続という究極のrisk managementに関わる財務上のリスクが重要である。また,市場競争の激化の中で,販売上のrisk managementが重要であり,戦略的な能力の陶冶が求められる。5) 地域総合研究推進上では,次の諸点が重要である。(1) 技術自体はそれが革新的なものであるほどリスクが高く,その適用範囲や限界を示していくこと,(2) 新技術導入にあたって慣行技術との親和性を検討すること,(3) 新技術の考え方が既往のものと両立性があるものか否かを考え,適切な対応を取ること,(4) 技術の難易度を検討し,熟練を要するもの等について講習等で対応することなど,導入にさいしてのリスクを軽減すること。また,経営的視点からは,(5) 当該技術導入に伴う新規投資は導入農家の規模・企業形態に適したものか,(6) 新技術は組織革新を必要とするか,(7) 新技術は販売革新を必要とするものかなどについて検討し,それぞれの局面について適切に対応をとり,導入に伴うリスクを軽減することがが新技術の円滑な導入の定着にとって重要である。
索引語変動;リスク;農業経営;北海道;農業;気象;所得;災害;抵抗性;資本
引用文献数7
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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