ウグイ地域集団間の遺伝的距離

ウグイ地域集団間の遺伝的距離

レコードナンバー734471論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00017390NACSIS書誌IDAA1136120X
著者名松岡 教理
柳野 克之
書誌名弘前大学農学生命科学部学術報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture and Life Science, Hirosaki University
発行元弘前大学農学生命科学部
巻号,ページ9号, p.1-7(2006-12)ISSN13448897
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抄録ウグイ(ribolodon hakonensis)は、日本では北海道から九州までの河川、湖、海洋に広く分布するコイ科魚類の普通種である。本種は形態・生態学的に地理的変異が著しく、特に琵琶湖集団は他の集団と比較して形態学的に特徴的である(上顎と下顎との先端はほぼ同長で吻端が尖る、体型が細長いなど)。本研究では、このウグイ琵琶湖集団が本州最北端の青森県河川集団と、どの程度の遺伝的分化を遂げているのか-という集団遺伝学的問題をアロザイム分析により調査した。アウトグループには、河川上流部でウグイとよく混生している同じコイ科のアブラハヤ(Phoxinus lagowskii seindachneri)を用いた。8酵素の電気泳動によるアロザイム分析から12酵素遺伝子座が検出された。12遺伝子座における対立遺伝子頻度から、Nei(1972)の遺伝的類似度(I)と遺伝的距離(D)を算出した。その結果、(1)ウグイの2地域集団間の遺伝的類似度はI=0.985と極めて高く(遣伝的距離はD=0.015と小さく)、(2)2地域集団間で対立遺伝子頻度に統計的有意差を示す遺伝子座は見られず、(3)対立遺伝子組成が全く異なるDiagnosic Lociも観察されなかった。これらの結果より、ウグイ2地域集団は形態学的には異なるが、ほとんど遺伝的分化を遂げていないことが判明した。すなわち琵琶湖集団の形態学的差異は種内変異であると推察できる。またウグイとアブラハヤは、形態レベルからの分類体系では同科別属に分類されているが、2種間の遺伝的類似度はI=0.518と比較的高く、他動物の同属別種間での値と同等であった。これらの結果は、魚類は他の動物群と比較して表現型レベルの進化速度が速いことも示唆している。
索引語地域;集団;遺伝的距離;日本;北海道;河川;海洋;コイ科;魚類;種
引用文献数17
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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