白石平野の水事情とクリーク水質についての考察

白石平野の水事情とクリーク水質についての考察

レコードナンバー734723論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20002773NACSIS書誌IDAA11577672
著者名大串 和紀
弓削 こずえ
中野 芳輔
書誌名九州大学大学院農学研究院学芸雑誌
別誌名Science bulletin of the Faculty of Agriculture, Kyushu University
発行元九州大学大学院農学研究院
巻号,ページ62巻・ 1号, p.69-81(2007-02)ISSN13470159
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抄録本文において、白石平野のクリーク水質を佐賀平野と比較し、白石平野の成り立ちと農業用水の開発の歴史、農地整備の歴史等をレビューして、クリーク水質へ影響を与えている白石平野の特異な水事情について考察した。その結果をまとめると次のように整理できる。(1)白石平野のクリークは佐賀平野に比べて水質の汚濁が著しい。とくに、非かんがい期の汚濁が著しくなっている。(2)白石平野は干拓地特有のクリークが発達しているが、従来から水資源に恵まれず、江戸時代以降に大々的に行われた干拓により増大する農地の水需要をまかなうため、干拓の進展に合わせて流域内外に多くの溜池が築造された。(3)白石平野のクリークは溜池の貯水を配水する機能を併せ持っているが、流域面積が小さくクリークに貯水する水が無いことから、農地面積に対するクリーク密度は佐賀平野に比べて小さい。(4)昭和30年代以降の農業基盤整備によりクリークの拡幅整備が進んだが、水田の区画整理や乾田化により農業用水需要が急激に拡大したため、大々的に地下水の取水が行われるようになった。しかし、この地下水取水は地盤沈下の発生という新たな問題を惹起した。(5)白石平野は慢性的な水不足状態にあり、平常時にはクリークの水が反復利用されている。これが水域内の滞留時間を長くし、クリークの水質を悪化させる一因と考えられている。(6)白石平野では、農業基盤整備の成果もあって裏作にたまねぎが大々的に導入されたが、これは麦作(裏作)中心の佐賀平野と異なる点であり、非かんがい期のクリークの水質に大きな負荷を与えている。(7)白石平野と佐賀平野の水事情および栽培作物の違いが、両者のクリーク水質の差に反映しているといえる。(8)国営事業で嘉瀬川から水質の良い水が導水されるが、これはクリークの水質改善に役立つであろう。(9)しかし、栽培作物とクリーク水質の関係について更なる解明を進め、その成果をもとに環境保全型農業へ転換するなど、水質改善に役立てるべきである。(10)また、生活雑排水の処理やクリークの適切な維持管理も不可欠である。
索引語水質;水;農業;農地;用水;歴史;かんがい;干拓;需要;流域
引用文献数23
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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