近年日本で分離された牛ウイルス性下痢ウイルスの遺伝学的および病理生物学的解析
近年日本で分離された牛ウイルス性下痢ウイルスの遺伝学的および病理生物学的解析
レコードナンバー | 742609 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00004754 | NACSIS書誌ID | AA10796138 |
著者名 | 松野 啓太 迫田 義博 亀山 健一郎 ほか3名 | ||
書誌名 | The journal of veterinary medical science | ||
別誌名 | Journal of veterinary medical science J. vet. med. sci | ||
発行元 | Japanese Society of Veterinary Science | ||
巻号,ページ | 69巻・ 5号, p.515-520(2007-05) | ISSN | 09167250 |
全文表示 | PDFファイル (528KB) | ||
抄録 | 2000年から2006年までに12都道県で牛から分離された475株の牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)の5’末端非翻訳領域の塩基配列を基にした分子疫学解析を行った。その結果、396株が遺伝子型1に分類され、さらに1a亜型(101株)、1b亜型(163株)、1c亜型(128株)、1j亜型(3株)およびSo CP/75-like亜型(1株)に分けられた。残り79株は遺伝子型2に分類され、すべて2a亜型であった。2a亜型BVDVには高病原性株として報告されている北米分離株と高い相同性を有する株も2株含まれていた。しかし、2a亜型BVDVのほとんどは持続感染牛から分離され、高い死亡率を伴う急性感染例は見られなかった。また、475株すべての細胞病原性とそのウイルスが分離された牛の臨床症状をまとめた結果、細胞病原性株が分離された牛でも典型的な粘膜病変を示さない例や、非細胞病原性株が分離された持続感染牛でもまったく臨床症状を示さない例が多数認められた。以上より、国内では多様な遺伝子型のBVDVが浸潤しており、ウイルスが感染した牛が示す臨床症状も多様であることがわかった。これらの結果から、適切なワクチンによる予防と積極的なサーベイランスが本病の対策として重要であると考えられる。 | ||
索引語 | 分離;ウイルス;病原性;感染;性;遺伝子型;細胞;臨床;症状;下痢 | ||
引用文献数 | 43 | 登録日 | 2011年03月05日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |