藤荷田山長期生態研究草地の糞虫相の特徴と動態

藤荷田山長期生態研究草地の糞虫相の特徴と動態

レコードナンバー752124論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20008152NACSIS書誌IDAA11740161
著者名井村 治
森本 信生
時 坤
書誌名畜産草地研究所研究報告 = Bulletin of National Institute of Livestock and Grassland Science
別誌名Bull. NARO Inst. Livest. Grassl. Sci
Bulletin of NARO Institute of Livestock and Grassland Science
Bull. Nat. Inst. Livest. Grassl. Sci
畜草研研報
発行元農業技術研究機構畜産草地研究所
巻号,ページ8号, p.1-9(2008-03)ISSN13470825
全文表示PDFファイル (4708KB) 
抄録畜産草地研究所の藤荷田山長期生態研究草地(藤荷田山)のシバ型放牧草地の糞虫相とその動態について、1999年から2001年と2003年から2005年にザルを用いた牛糞トラップを使い5月から10月の放牧期間に月1回調査し、その特徴を近隣の畜産草地研究所西地区(畜草研西)と自由学園那須農場南地区(自由学園南)の放牧草地での調査結果と比較して明らかにした。また藤荷田山生態研究草地の糞虫による生物多様性保全機能および養分循環に係わる糞分解への働きについても考察した。藤荷田山ではセンチコガネ亜科2種、ダイコクコガネ亜科6種、マグソコガネ亜科10種を含む18種が記録された。藤荷田山のChao2(Chao 1987)で推定した期待種数(18.4)は畜草研西(15.8)とは有意に異ならなかったが、自由学園南(11.1)より有意に大きかった。藤荷田山の糞虫相の種多様度(Shannon-Wienerの多様度指数H')は1.816で大きく、畜草研西と自由学園南の糞虫相の種多様度(それぞれ1.365と1.521)と比較して有意に大きかった。藤荷田山の糞虫相では住込み屋(dwellers)と穴掘り屋(tunnelers)タイプの同数の種数が生息していた。藤荷田山の糞虫相は畜草研西と自由学園南の糞虫相との類似度(Morishita-Hornの類似度指数)は低かった。これらの結果、藤荷田山の糞虫相は他の二つの放牧草地とは異なる多様で特徴的な群集構成を持っており、藤荷田山長期生態研究草地は糞虫の多様性保全の観点から重要な草地であることが示された。藤荷田山の糞虫の年間の個体数変動は春から夏にかけて上昇し、9月、10月に減少するパターンと夏に減少して逆に10月に上昇するパターンが見られた。個体数の季節的変動は近隣の放牧草地のそれと同調しており、藤荷田山の変動はこの地域の共通の変動パターンを示していると考えられた。藤荷田山草地の糞虫相の6年間の年次的な個体数変動は安定しており、また季節的変動では終牧時の10月あるいは夏に個体数が減少する年があるものの、概ね個体数は高く保たれていた。これらは藤荷田山の糞虫相は糞の分解による養分循環に有効な機能を果たしていることを示唆した。
索引語藤荷田山長期生態研究草地;糞虫相;特徴;動態
引用文献数45
登録日2011年01月28日
収録データベースJASI, AGROLib

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