レコードナンバー | 752384 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
ALIS書誌ID | ZZ00014258 | NACSIS書誌ID | AN00236150 |
著者名 | 吉倉 幸博 |
書誌名 | 宮崎県総合農業試験場研究報告 = Bulletin of the Miyazaki Agricultural Experiment Station |
別誌名 | Bulletin of the Miyazaki Agricultural Research Institute |
発行元 | 宮崎県総合農業試験場 |
巻号,ページ | 43号, p.8-26(2008-03) | ISSN | 03888339 |
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抄録 | ヒュウガナツは自家不和合性が強く、着果のためには他のカンキツによる受粉が必要である。従来はハッサクやブンタン類で受粉していたが種子数が多く、消費が伸びない一要因となっていた。そこで、開発されたのが4倍体花粉による受粉技術である。4倍体花粉による受粉は、従来の2倍体花粉と比較しても、果実肥大や品質等に大きな遜色はなく、確実に含核数を少なくする技術としてその活用面積も増えている。しかし、露地栽培では開花期に訪花昆虫を遮断できないため、4倍体花粉で受粉しても全果実の約10〜20%の確率で有核果となり、訪花昆虫の発生次第では、約50%の有核果率に達する年もある。開花期に園全体を4mm目のネットで被覆すれば、訪花昆虫を排除でき、完全な少核果の生産が可能となる。さらに、周年ネットを被覆することにより、開花期の訪花害虫による果皮傷害や台風による風傷・落果等も防止できる。また、果実の日焼け防止効果もあり、無袋栽培が可能で省力化が図れる。ネット被覆を簡易パイプハウス方式にすれば、秋期以降に天井ビニルの被覆が可能で、収穫期までの降雨を遮断することにより、糖度を約1%高めることができる。それと同時に、開花期にビニルを展帳すれば、降雨時の受粉も可能で、開花期の天候に左右されず、生産量の年次間ばらつきを是正することができる。4mmネット被覆状態で、開花ほぼ2週間後までにジベレリン処理すれば、果実は人工受粉より小さくなるが、完全無核果を作出することができる。開花期の長雨で受粉できない年の対策として活用できる。少核果の作出には多くの4倍体花粉を必要とするが、従来の夏柑4倍体花粉に変わって、ヒュウガナツの4倍体である口之津41号が有望と思われる。口之津41号は葯が大きいため、通常より開葯温度を高め、時間も長くすることで活性が高く、着果率の高い花粉を得ることができる。また、開葯後に有機溶剤で抽出すれば、省力的に花粉を採取することが可能である。 |
索引語 | 開花期;受粉;4倍体花粉;ヒュウガナツ;訪花昆虫;受粉;遮断;被覆;少核果;果実 |
引用文献数 | 4 |
登録日 | 2011年01月18日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |