食料資源問題の経済地理学的考察

食料資源問題の経済地理学的考察

レコードナンバー760601論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20005635NACSIS書誌IDAN00164184
著者名増井 好男
書誌名東京農業大学農学集報
別誌名Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture
Journal of agricultural science, Tokyo Nogyo Daigaku
東京農大農学集報
東農大農学集報
農学集報
東京農業大学農學集報
発行元東京農業大学
巻号,ページ52巻・ 4号, p.151-160(2008-03)ISSN03759202
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抄録世界の食料資源問題を経済地理学の観点から考察した。世界の主要な食料は米と小麦、およびとうもろこしなどの穀物が最も基本的なものである。米はアジア、小麦はヨーロッパ、とうもろこしはアメリカ大陸の主要な食料資源になっているとともに、地域的に偏在している。これらの食料は地域の環境条件、すなわち自然的条件、社会経済的条件、歴史的・文化的条件などによって、食料の生産、流通、消費にさまざまな地域性を生み出し、また、変容している。アジアモンスーンの米作は高温多湿の気候条件とモンスーンによってもたらされる水資源によって生産されるが、アジアで生産され、アジアで消費され貿易量の比率は小さく、アジアの人々を養う重要な食料となっている。一方、小麦は冷涼乾燥な気候条件と雨量の少ない高緯度地域で多く栽培され、世界に広く分布するとともに、貿易量も米に比較してはるかに多い。米と小麦の対照性はアジアとヨーロッパ(欧米諸国)の基本的な食料資源として世界の食料問題に大きな影響を及ぼしている。これに加えて、とうもろこしは直接的に人間の食料として利用される比率は少なく、大部分は家畜の飼料として利用されているが、土地資源の利用のうえからみれば人間の食料と家畜の飼料生産とが競合することになる。近年では代替エネルギーとしての利用が拡大しており、畜産との競合も懸念される。これらの主要な食料資源に加えて、畜産物と水産物が世界の食料資源問題に重要な影響をおよぼす。アジア型食体系の特徴は米を主体として水産物とを結合させたパターンが中心であり、ヨーロッパ型の食体系は小麦を主体として畜産物を組み合わせたパターンが中心であることを特徴としている。食料問題はこれまで、人口と食料との関係から論じられてきたが、21世紀には人口と食料の関係に加えて環境の問題を考えなければならない状況となっている。アジア型食体系とヨーロッパ型食体系がそれぞれに人口と食料と環境に適合した資源を有効に利用してゆくための地理的条件に見合ったものであることを再認識し、21世紀の食料資源問題への対応を考えてゆくべきであろう。
索引語食料;世界;米;小麦;アジア;食料資源問題;とうもろこし;食料資源;利用;人口
引用文献数17
登録日2011年01月28日
収録データベースJASI, AGROLib

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