効率的なブタ卵子採取・洗浄装置の開発
効率的なブタ卵子採取・洗浄装置の開発
レコードナンバー | 760992 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00011654 | NACSIS書誌ID | AN10202971 |
著者名 | 大竹 正剛 塩谷 聡子 大津 雪子 ほか1名 | ||
書誌名 | 日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science | ||
発行元 | 日本養豚学会 | ||
巻号,ページ | 45巻・ 2号, p.54-64(2008-06) | ISSN | 0913882X |
全文表示 | PDFファイル (4200KB) | ||
抄録 | 本研究では、ブタ卵巣からの卵丘-卵子複合体(COCs)採取に伴う時間と労力の軽減を目的として、卵子採取装置(以下、採取装置)、および卵子洗浄装置(以下、洗浄装置)を作製し、COCsの採取・洗浄の効率化について検討した。採取装置は、先端に生け花に用いる剣山を装着した小型振動機と卵子保持シャーレからなり、振動をかけながら剣山で卵胞を破砕することにより、COCsを培養液中に浮遊させる仕組みとした。性能の確認のため、卵巣からCOCsを採取し、その処理時間、採取COCs数、形態評価、体外培養成績を従来法(卵子掻き出し法、吸引法)と比較した。1分間あたりのCOCs採取数は、採取装置使用で最大3.8倍に増加した(採取装置:92.7±26.1個/分、掻き出し法:37.4±5.3個/分、吸引法:24.3±2.4個/分)。採取卵子の体外発生培養成績では、成熟率(74.1±8.3%vs.65.1±10.9%、68.1±16.2%)と単為発生胚の胚盤胞形成率(22.5±9.5%vs.30.0±18.9%、28.1±17.2%)に有意な差はなかった。洗浄装置は、底面にCOCsよりも大きなサイズ(300×300μm)のメッシュをもつ濾過器Iと小さなサイズ(100×100μm)の濾過器II、および受け皿からなり、筒に浮遊液を通すことで、COCsと大きさが異なる浮遊物を除く仕組みとした。性能の確認のため、卵巣10個を処理して得られたCOCs浮遊液20mlを通し、その処理時間、要した洗浄液量を定法と比較した。処理時間は、洗浄装置使用により約半分に短縮され(洗浄装置:169.7±40.4秒vs.定法:318.3±59.0秒)、洗浄液量は2/3に削減された(32.8±10.2ml vs.51.7±5.8ml)。以上の成績から、開発した採取装置、洗浄装置の有用性が明らかとなり、作業者の時間短縮と労力軽減が可能となった。 | ||
索引語 | COCs;洗浄装置;採取装置;採取;処理時間;vs;剣山;仕組み;性能;確認 | ||
引用文献数 | 14 | 登録日 | 2011年01月14日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |