ピーマンモザイク病を予防する植物ウイルスワクチン
ピーマンモザイク病を予防する植物ウイルスワクチン
レコードナンバー | 761379 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00014870 | NACSIS書誌ID | AN0038751X |
著者名 | 神田 絢美 津田 新哉 | ||
書誌名 | 農業および園芸 = Agriculture and horticulture | ||
発行元 | 養賢堂 | ||
巻号,ページ | 83巻・ 9号, p.967-975(2008-09) | ISSN | 03695247 |
全文表示 | PDFファイル (4571KB) | ||
抄録 | ピーマンと聞くとベル型の緑色のイメージが強いが、現在は赤ピーマンの他にも紫色やクリーム色などのカラーピーマンも登場している。赤、黄、オレンジと鮮やかなパプリカとともにさまざまな料理に彩りを添える野菜として食卓に上がる機会が多い。ピーマンはトウガラシ類に含まれるナス科植物で、シシトウや甘長トウガラシも同じ仲間である。ピーマンは栽培中にさまざまな病気に罹る。ピーマンが罹病する主因として、カビ(糸状菌)や細菌、ウイルスなどがあげられる。カビと細菌に対してはいくつかの化学農薬があるが、ウイルスに対する農薬は皆無であり、その防除はきわめて困難である。ピーマンで問題となっているウイルス病は、トウガラシマイルドモットルウイルスによるピーマンモザイク病である。この病気は、種子伝染性に加え土壌伝染性でもあることから、その防除には土壌くん蒸剤の一種である臭化メチル剤が最も広く使われてきた。植物では、あるウイルスに感染した後そのウイルス自身や近縁のウイルス系統の更なる感染から免れるという現象がある。この現象は「干渉作用」と呼ばれている。人間を含む動物では、毒性のない弱毒あるいは不活化したウイルスを感染予防のためにワクチンとして用いることがある。動物では体内の免疫システムにより投与したワクチン(ウイルス)に対する抗体が体内で作られ、その抗体が後から侵入する病原ウイルスの感染を防いでいる。植物には動物のような免疫システムはないが、先の干渉作用を利用して病原性を極端に低下させた弱毒ウイルスをワクチンとして予防接種することで、卓効を示す農薬がないウイルス病害を防除することができる。本稿では、われわれの研究室において開発しているピーマンモザイク病を予防する植物ウイルスワクチンについて紹介する。 | ||
索引語 | ピーマンモザイク病;予防;植物ウイルスワクチン | ||
引用文献数 | 35 | 登録日 | 2011年01月20日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |