代謝改変を利用したLactobacillus plantarumによるコハク酸生産

代謝改変を利用したLactobacillus plantarumによるコハク酸生産

レコードナンバー763232論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00016464NACSIS書誌IDAA11178236
著者名佐藤 英一
遠藤 三千雄
岡田 早苗
内村 泰
Hols Pascal
書誌名日本食品保蔵科学会誌
別誌名日本食品保蔵科学会誌
発行元日本食品保蔵科学会
巻号,ページ34巻・ 2号, p.59-64(2008-03)ISSN13441213
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抄録本研究では微生物によるコハク酸発酵生産のモデルとして乳酸菌L. plantarum NCIMB 8826株を供試菌株とし、その可能性について検討した。NCIMB 8826株はコハク酸合成経路に関与する遺伝子を保持していることが予想されているため、コハク酸合成経路の周辺の状況から培養条件によるコハク酸産生を調べた。NCIMB 8826株を二酸化炭素源として炭酸水素ナトリウムを添加したMRS培地で培養することにより、コハク酸の産生を確認した。次に、コハク酸産生量を増加させるためNCIMB 8826株のピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)を過剰発現させることを試みた。これにより本来乳酸へ変換されるピルビン酸をオキサロ酢酸へ流れるように促し、コハク酸合成が促進するのではないかと推測した。しかし、NCIMB 8826株にPCを過剰発現させたところ、主要代謝産物である乳酸の生成を減少させ、コハク酸産生量を増加させるには至らなかった。そこで、NCIMB 8826株のD-型およびL-型の両LDH遺伝子が欠損した変異株L. plantarum VL103株を供試菌とし、さらに検討を加えた。このVL103株を50mMの炭酸水素ナトリウムを添加して培養することによりコハク酸産生量は野生株に比べ約12倍(1.37mM→17mM)に増加した。これらのことから、通性嫌気性である乳酸菌L. plantarum NCIMB 8826株のLDH遺伝子を欠損させ、かつ炭酸水素ナトリウムを添加して培養することによりコハク酸の産生力を向上させることに成功した。これまで発酵食品製造に関与すると微生物として認識されてきた乳酸菌の利用に対し、物質生産菌としての新たな可能性を与えるものである。乳酸菌は通性嫌気性菌であり、対塩性、耐酸性に非常に優れている。また、資化できる糖の種類も多彩であり、生育も大腸菌などと比較し劣るものでもない。このようなことから乳酸菌は嫌気的物質生産菌として非常に高い可能性があると考えられる。
索引語NCIMB;コハク酸産生量;plantarum;コハク酸合成経路;乳酸菌L.;乳酸菌;培養;可能性;添加;増加
引用文献数14
登録日2011年07月25日
収録データベースJASI, AGROLib

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