ユキヤナギとシモツケと種間雑種の作出とその特性に関する研究

ユキヤナギとシモツケと種間雑種の作出とその特性に関する研究

レコードナンバー772033論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20014518NACSIS書誌IDAA11944740
著者名飯塚 正英
書誌名群馬県農業技術センター研究報告
発行元群馬県農業技術センター
巻号,ページ6号, p.98-140(2009-03)ISSN13489054
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抄録春季の重要な花木であるユキヤナギ(シモツケ属、Chamaedryon節)は‘蒲田早生’など数種が知られているが、形態的変化は小さく、花色や花序の多様化が望まれている。そこでシモツケ(シモツケ属、Calospira節)との交雑を行ったが、通常の交配では種子が得られなかった。本研究ではその原因を究明し、胚珠培養による雑種胚の救済を試みた。その結果、ユキヤナギ(♀)×シモツケ(♂)では発芽個体が得られ、その形態は両親の中間を示し、RAPDパターンは両親のバンドを併せ持つことから雑種植物であると判断した。さらに最適な胚珠培養条件について検討したところ、多量無機塩類を1/4倍にしたMS培地に交雑後14日目から19日目までの胚珠を培養することで、効率的に交雑個体を獲得することができるようになった。得られた雑種の花き特性について調べた結果、雄ずい数、開花時期、1花序あたりの花数、花色、雄ずい長および花柱長は両親の中間的特性を示した。一方、花弁の形、花弁の長さ、花径はユキヤナギに類似し、花の着生状況や花序はシモツケに類似していた。また、雑種の花芽分化は12月中旬から始まり、1月中旬に完了し、4月中旬に開花した。色素については、雑種の全アントシアニン含量はシモツケに比べて少なく、花色は桃色を呈していた。雑種にはシモツケの6つの構成色素のうちPg3GとMv3Gを除く4つのシアニジン系色素(Unknown、Cy3Ga、Cy3G、Cy3Ara)が導入され、Cy3GaとUnknownが主要色素であった。さらに、雑種の花弁は老化すると花色が退化するが、これは主要色素であるCy3Gaの減少が関与していた。次に、雑種の促成栽培への適応性を検討した結果、雑種の花芽分化開始後に加温すると開花が早くなり、促成栽培が可能であることが示された。また、挿し木による増殖率は高く、挿し木によって実用的な苗の増殖が可能であることも示され、鉢物化やガーデニング素材としての利用が示唆された。本研究によりユキヤナギの花色、草姿を改良することができたが、さらに、ユキヤナギの草姿で花色のみの改良を計るため4倍体ユキヤナギ(♂)を作出し、シモツケ(♀)との交雑を試みた。しかし、花粉管が胚珠までには達しないため、試験管内受精や、遺伝子組み換えなどの検討を議論した。本論文はユキヤナギの花色や草姿などを改良することを目的に、ユキヤナギとシモツケとの種間交雑を行い、この交雑によって雑種の獲得が容易でない要因を解析するとともに、シモツケ属Chamaedryon節とCalospira節間の雑種作出に世界で初めて成功した。ユキヤナギの花色、草姿を改良することができたことは、今後のユキヤナギおよびシモツケ属の多様化に大きく寄与すると思われる。
索引語花色;ユキヤナギ;雑種;シモツケ;交雑;草姿;花;シモツケ属;改良;両親
引用文献数121
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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