トマト幼苗の施肥窒素に対する生育反応および窒素利用における品種特性の解析

トマト幼苗の施肥窒素に対する生育反応および窒素利用における品種特性の解析

レコードナンバー772295論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20006215NACSIS書誌IDAA11648748
著者名菊地 直
保科 次雄
木村 武
宮地 直道
山崎 浩道
梅宮 善章
木嶋 伸行
書誌名野菜茶業研究所研究報告
発行元農業技術研究機構野菜茶業研究所
巻号,ページ8号, p.109-119(2009-03)ISSN13466984
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抄録トマト9品種を異なる窒素濃度(50,100,150mg-N/L)で栽培したところ,苗の生育と窒素吸収量に顕著な品種間差が認められ,施肥窒素に対する反応も異なることが示された。これらの品種間差は,吸収した窒素あたりの乾物生産効率が品種間で異なることが,生育反応の差異に影響していることが示唆された。乾物生産効率に影響していると推定される窒素同化について調査したところ,新鮮重は同化窒素量との相関が高く,窒素の吸収量だけではなく,吸収した窒素の同化能力が品種で異なり,窒素吸収量あたりの乾物生産効率と生育反応の差となっていることが示唆された。傾向が異なる2つの品種,'おどりこ'と'June Pink'を用いて比較検討したところ,'おどりこ'は,'June Pink'よりも硝酸態窒素の吸収量が高く,吸収した硝酸態窒素の同化量も高いことが明らかとなった。硝酸還元酵素活性(NRA)について両品種の窒素同化能力との関連を調べたところ,'おどりこ'の葉におけるNRAは,'June Pink'よりも高く推移し,NRAの差が窒素同化能力において品種間差が生ずる要因の一つとなっていると推定された。硝酸態窒素吸収特性について生理的な面から検討を行い,High affinity transport system (HATS)についてMichaelis-Menten式により解析したところ,2つの品種のKm値とVmax値に差があることが示された。'おどりこ'はVmax値が高く,またLow affinity transport system (LATS)においても吸収速度が高く,増加の傾きも大きいことから,生理的に高い窒素吸収能力を持つことが示された。net uptake,influx,effluxに対する培地中硝酸態窒素濃度の影響を調べたところ,前処理の硝酸態窒素濃度が1mM以上になるとHATSおよびLATSにおけるnet uptakeが低下し,特に'June Pink'における低下が著しかった。influxにおいては,前処理濃度の上昇による低下が認められず,前処理濃度の上昇に伴うeffluxの増加は,'June Pink'の方が顕著であった。これらの結果から,培地中の硝酸濃度が高く維持される条件では,'おどりこ'の方が'June Pink'よりもeffluxが低く,net uptakeが'June Pink'よりも高くなることが,硝酸態窒素吸収効率に差が生じる原因となっていると推察された。'おどりこ'は'June Pink'と較べNRAが高く,硝酸態窒素の還元能力が高いため,体内の硝酸態窒素濃度が高まりにくく,硝酸態窒素濃度を調整するためのeffluxが'June Pink'よりも低いと推定された。特に硝酸態窒素濃度が高い培地条件で,その差が顕著になったと推定され,多様な窒素条件下での 'おどりこ'の良好な生育に寄与していることが示唆された。
索引語どりこ;差;窒素;硝酸態窒素濃度;推定;NRA;efflux;吸収;硝酸態窒素;生育反応
引用文献数22
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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