噴霧乾燥法による酵素の粉末化

噴霧乾燥法による酵素の粉末化

レコードナンバー773211論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20014033NACSIS書誌IDAA12076107
著者名Lauruengtana V.
Paramita V.
Neoh T.L.
古田 武
吉井 英文
書誌名日本食品工学会誌 = Japan journal of food engineering
別誌名日本食品工学会誌
JSFE
発行元日本食品工学会
巻号,ページ10巻・ 2号, p.79-86(2009-06)ISSN13457942
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抄録タンパク質製剤は、過酷な保存条件下にあっても、長期間にわたってその効果を保持することが要求される。この目的を達成するために、医薬成分を粉末化する手法が採られている。真空凍結乾燥法は、医薬タンパク質を粉末化する最も適した手法として、この分野で多用されている。しかしながら、作製された粉末形状が不定形であること、設備費が高いこと、乾燥に長時間を要するなどの欠点がある。噴霧乾燥法は、短時間で溶液から直接球形微粒子が得られる乾燥法であり、真空凍結乾燥法に代わる医薬タンパク質の粉末化手法として期待されている。噴霧乾燥によるタンパク質の粉末化の一般的なプロセスは、酵素溶液などのタンパク質水溶液に種々の賦形剤(主として多糖類)を溶解させ、溶液を数十μmの微粒子に噴霧した後、熱風と接触させて乾燥粉末とするものであり、乾燥に要する時間は数秒と極めて短時間である。しかしながら、比較的高温度の熱風を使用した乾燥法であり、かつ溶液を微粒子に噴霧するため、微粒化液滴中のタンパク質が熱および界面変性を受けやすく、真空凍結乾燥法に比較して活性収率の低下が著しいことが多くの研究者から指摘されている。噴霧乾燥中の熱および界面変性を防止するためには、乾燥熱風と酵素との気液界面における直接接触を避け、酵素を効率良く賦形剤で覆う必要がある。このための賦形剤や添加剤の選択は、現時点では経験によるところが大きい。また、乾燥という脱水操作により、本来、水分子の存在下で安定であった酵素分子が水素結合の消失によって不安定となるが、適切な賦形剤の選択によって、酵素分子と賦形剤分子が水素結合し、低含水率であっても安定に存在できることが報告されている。本稿ではまず噴霧乾燥の各過程(送液、噴霧微粒化、脱水乾燥)でタンパク質(酵素)が受けると考えられる変性要因を解説し、次いで賦形剤による酵素の包括と相互作用に関して解説する。最後に、酵素溶液の単一液滴乾燥による酵素保持率、およびベンチスケールの噴霧乾燥装置による粉末酵素の作製と、酵素活性保持率に与える乾燥操作条件に関する解説をおこなう。
索引語賦形剤;酵素;乾燥;粉末化;乾燥法;微粒子;タンパク質;溶液;真空凍結乾燥法;安定
引用文献数38
登録日2011年04月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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