Arthrobacter globiformis M6における環状マルトシルマルトースの合成および分解に関与する酵素

Arthrobacter globiformis M6における環状マルトシルマルトースの合成および分解に関与する酵素

レコードナンバー780963論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20010553NACSIS書誌IDAA11809133
著者名森 哲也
西本 友之
向井 和久
渡邊 光
大倉 隆則
茶圓 博人
福田 恵温
書誌名Journal of applied glycoscience
発行元日本応用糖質科学会
巻号,ページ56巻・ 2号, p.127-136(2009-04)ISSN13447882
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抄録澱粉から酵素的に生成する非還元性糖質を広く検索したところ、土壌由来細菌Arthrobacter globiformis M6株の培養上清中に未知非還元性糖質を見出した。この未知糖質の構造を決定したところ、グルコース4分子がα-1、4結合とα-1、6結合を交互に繰り返して環状化した新規環状四糖、cyclo-{→6}-α-D-Glcp-(1→4)-α-D-Glcp-(1→6)-α-D-Glcp-(1→4)-α-D-Glcp-(1→}であった。我々は、この糖質を環状マルトシルマルトース(CMM)と命名した。A. globiformis M6株の培養上清からCMM生成酵素を精製し、その諸性質を調べたところ、本酵素は、重合度3以上のマルトオリゴ糖や澱粉に作用してCMMを生成した。CMM生成機構を調べたところ、CMM生成酵素はマルトース単位でα-1、6分子間転移反応、およびα-1、6分子内転移反応を触媒することでCMMを生成することがわかった。このことから、本酵素は新規転移酵素であり、我々はこの酵素を6-α-マルトシルトランスフェラーゼ(6MT)と命名した。CMMの分解に関与する二つの酵素、CMM hydrolase(CMMase)およびα-グルコシダーゼをA. globiformis M6株の菌体破砕液から精製した。CMMaseはCMMに最もよく作用しマルトシルマルトース(MM)もしくはマルトースを生成するが、グルコースは生成しなかった。α-グルコシダーゼはCMMには作用しないが、MMやパノース、マルトースによく作用し、グルコースを生成した。CMMはCMMaseとα-グルコシダーゼの共同作用により最終的にグルコースにまで分解されることがわかった。M6株のゲノムDNAライブラリーから、6MT、CMMase、およびα-グルコシダーゼ遺伝子をクローニングした。これら遺伝子の塩基配列を解析したところ、6MTは623アミノ酸残基から、CMMaseは450アミノ酸残基から、α-グルコシダーゼは567アミノ酸残基から成ることがわかった。これらの酵素はいずれもそのアミノ酸配列中に、グリコシドヒドロラーゼファミリー13に属するα-アミラーゼファミリーに保存されている4カ所の共通領域が存在し、これらの酵素はα-アミラーゼファミリーに属することが示唆された。α-グルコシダーゼ遺伝子とCMMase遺伝子の間に、糖結合タンパク質をコードすると考えられる遺伝子が一つ、透過酵素をコードすると考えられる遺伝子が二つ見出された。これら遺伝子解析から、A. globiformis M6株はCMMを介した澱粉の資化経路を有している可能性が示唆された。
索引語CMM;globiformis;生成;遺伝子;酵素;CMMase;グルコシダーゼ;MM;マルトース;作用
引用文献数27
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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