黒毛和種雌牛における乳タンパク質ムチン遺伝子のVNTR領域構造とその子牛の哺乳初期発育への影響

黒毛和種雌牛における乳タンパク質ムチン遺伝子のVNTR領域構造とその子牛の哺乳初期発育への影響

レコードナンバー781659論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00014792NACSIS書誌IDAN0007465X
著者名山本 直幸
小島 孝敏
大島 一修
落合 寿成
書誌名肉用牛研究会報
別誌名肉用牛研究会報
発行元肉用牛研究会
巻号,ページ87号, p.29-36(2009-06)ISSN03868419
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抄録乳中のムチンタンパク質は、感染防御などの機能を有する糖タンパク質である。その遺伝子(MUC1)は、第2エキソンに縦列反復配列(VNTR)領域を持つ。そこで、黒毛和種雌牛のMUC1の第2エキソンに存在するVNTR領域の構造解析を行うとともに、MUC1-VNTR型と乳ムチンの機能性との関係を明らかにするために、自然哺乳により乳を摂取している哺乳初期の子牛発育性を指標として機能性の評価を試みた。MUC1の塩基配列解析から、第1から第6エキソンまでの塩基配列およびアミノ酸配列が明らかとなった。また、第2エキソン領域におけるVNTR型は、AA型(1350bp/1350bp、28.0%)、AB型(1350bp/1050bp、46.7%)、AC(1350bp/810bp、2.7%)、BB型(1050bp/1050bp、18.7%)、BC型(1050bp/810bp、4.0%)の5種類であった。VNTR領域は、60塩基を1ユニットとする反復(TR)構造であり、AA型は16回(VNTR16/16)、BB型は11回(VNTR11/11)、AC型とBC型で検出される810bp長のDNAバンドは7回のTR数と確認された。VNTR16/16のアミノ酸配列は、アミノ酸置換を反映した6種類のユニットから構成されており、また、VNTR11/11は5種類のユニットから構成されていた。MUC1の糖鎖修飾部位を解析したところ、第2エキソンで糖鎖結合能が高く、特にVNTR領域の全てのSer残基およびThr残基で糖鎖結合能が高いことが認められた。母牛のMUC1-VNTR型とその子牛の哺乳期における発育との関連性を、相対成長率(%)および日増体量(DG(kg/day))を指標として比較を行った。その結果、相対成長率において、生後20日齢時では、初産子を含めるとVNTR11/16とVNTR11/11間で、また、初産子を除くとVNTR16/16およびVNTR11/16とVNTR11/11間で、16回反復を持つ母牛の子が有意に高いことが認められた。DGでの比較では、生後20日齢時で初産子を含めるとVNTR11/16とVNTR11/11間で、また、初産子を除くとVNTR16/16とVNTR11/11間で、16回反復を持つ母牛の子が有意に高いことが認められた。糖タンパク質では、糖鎖が機能性発現に重要な役割を担っているが、MUC1では、VNTRが存在する第2エキソンに糖鎖の修飾が集中していること、哺乳初期の子牛の発育性とMUC1-VNTR型との間に関連性が推定されることから、本試験における結果は乳ムチンの機能性発現とMUC1-VNTR型との間に関連性があることを示唆するものと考える。
索引語VNTR;第2エキソン;MUC1-VNTR型;初産子;VNTR11/11間;子牛;ユニット;VNTR領域;母牛;関連性
引用文献数20
登録日2011年03月05日
収録データベースJASI, AGROLib

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