日本全域におけるパッシブエアーサンプリング法による有機塩素系農薬類の広域同時モニタリング
日本全域におけるパッシブエアーサンプリング法による有機塩素系農薬類の広域同時モニタリング
レコードナンバー | 782959 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00011887 | NACSIS書誌ID | AN10165252 |
著者名 | 小原 裕三 清家 伸康 西森 基貴 益永 茂樹 細見 正明 | ||
書誌名 | 環境科学会誌 = Environmental science | ||
別誌名 | 環境科学会誌 | ||
発行元 | 環境科学会 | ||
巻号,ページ | 23巻・ 1号, p.3-17(2010-01) | ISSN | 09150048 |
全文表示 | PDFファイル (849KB) | ||
抄録 | 残留性有機汚染物質(Persistent organic pollutants:POPs)に分類される有機塩素系農薬(Organochlorine pesticides:OCPs)は、日本では1970年代初めに農薬登録が失効した。しかしOCPsは未だに数pg/m3から1,000pg/m3程度で大気中から検出され、減衰の傾向は年々緩やかになっている。日本全域の大気中OCPsの分布を同一手法で同時に試みた例は、これまでほとんど無かった。これらOCPsの大気中濃度分布を明らかにするため、2008年3月21日から5月16日の8週間、PUF(Polyurethane foam)ディスクを用いたパッシブエアーサンプラー(Passive air sampler:PAS)を、日本全域の54ヶ所に同時に設置し評価を行った。各OCPsの大気中濃度(幾何平均:範囲pg/m3)は、chlordanes(146:12-1,290)>endosulfans(70:14-269)>HCHs(46:12-405)>hexachlorobenzene(42:21-107)>DDTs(23:2.6-579)>drins(1l:2.7-11)>heptachlors(7.6:0.44-37)>mirex(0.24:<0.082-0.88)であり、地域による特異性が認められ、アクティブエアーサンプラー(Active air sampler:AAS)を用いて行った環境省の大気モニタリングデータの結果と各OCPsの濃度レベルと順位は一致した。OCPs分解物や異性体の解析により放出起源を、またバックトラジェクトリー解析で放出地域の推定を行った。例えばDDTsの場合には、p,p’-DDT/p,p’-DDEの比から過去に日本で使用されたDDT製剤の揮散の寄与が大きいことなどが明らかとなった。このように、PASを用いた同時モニタリングは、広域の大気中濃度分布や放出起源、放出地域の評価に期待できる。 | ||
索引語 | 日本全域;OCPs;各OCPs;日本;大気中濃度分布;air;sampler;評価;放出起源;放出地域 | ||
引用文献数 | 54 | 登録日 | 2011年03月28日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |