汚染産業移転仮説と環境政策選択
汚染産業移転仮説と環境政策選択
レコードナンバー | 791192 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
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ALIS書誌ID | ZZ00011887 | NACSIS書誌ID | AN10165252 |
論文副題 | 地域間経済格差からみた中国の環境問題 | ||
著者名 | 黄 錚 外岡 豊 関口 和彦 王 青躍 坂本 和彦 | ||
書誌名 | 環境科学会誌 = Environmental science | ||
別誌名 | 環境科学会誌 | ||
発行元 | 環境科学会 | ||
巻号,ページ | 23巻・ 2号, p.67-80(2010-03) | ISSN | 09150048 |
全文表示 | PDFファイル (810KB) | ||
抄録 | 中国では、「改革・開放」政策を取り入れた1980年代以来、経済の高度成長が続いている。しかし近年になって、地域間経済発展の不均衡がますます拡大し、沿岸部と内陸部との経済格差が広がってきた。先進国と発展途上国の経済発展のギャップは「南北問題」と表現されているが、中国国内でも、地域間において「南北問題」と言われるほど経済発展のレベルには大きな格差がみられる。一方、環境汚染問題もそれに伴い地域間の格差が日増しに顕在化し、国際間における汚染産業移転説と同様に、中国国内においても汚染産業の沿岸部から内陸部への移転と推定される現象が現れている。本論文では、SO2、COD、工業固形廃棄物などの排出量の変遷を環境指標とし、1981年から2005年までのそれらの統計データを用いた地域別の環境クズネッツ曲線の分析を通じて中国の沿岸部と内陸部の経済発展と環境負荷の関係を比較考察した。その結果として工業固形廃棄物の分析において見られるように、沿岸部はより厳しい環境規制を実施することで、工業固形廃棄物の内陸部への移転を促す副作用をもたらしたと考えられる。また、その裏づけとして地域間の経済発展の格差により、それぞれの地域の環境政策の選択にも影響を及ぼしていたことが分かった。こうした地域間経済発展のアンバランスは地域間の環境格差を産むだけでなく、国全体の環境悪化につながる恐れがあることを示唆した。 | ||
索引語 | 経済発展;格差;沿岸部;内陸部;中国;地域間;工業固形廃棄物;移転;地域間経済発展;南北問題 | ||
引用文献数 | 28 | 登録日 | 2011年03月28日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |