鶏大腸菌症における最近の大腸菌分離株および接種経路の相違による病態の検討

鶏大腸菌症における最近の大腸菌分離株および接種経路の相違による病態の検討

レコードナンバー814958論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00011607NACSIS書誌IDAN0007252X
著者名山口 遼作
佐々木 淳
倉持 好
川崎 武志
御領 政信
書誌名鶏病研究会報
別誌名Journal of the Japanese Society on Poultry Diseases
鶏病研究会報
巻号,ページ47巻・ 3号, p.167-176(2011-11)ISSN0285709X
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抄録ブロイラー鶏における大腸菌症の病態解明を目的として、大腸菌症の野外発症例から分離された最近の大腸菌株を用いて接種実験を行い、病理学的に検索した。7株(E3810、Y0541、KB4-1、KB12、DA2、53A、KA3-1)の大腸菌液(10(8)CFU/0.1ml/羽)を接種材料とした。1日齢P2系鶏雛にはそれぞれの菌株を大腿部筋肉内接種し、3週齢P2系鶏雛では大腿部筋肉内接種群、頭部および胸部皮下接種群、噴霧接種AおよびB群、 経口接種群の6群および無処置対照群を区分し、各菌株を接種または投与した。1日齢雛接種群では、 KA3-1株以外の株の接種群で全羽が死亡し、そのほとんどが肉眼病変を伴わない急性敗血症型であった。3週齢雛接種群では、同じ接種経路でも菌株により症状の発生時期、死亡のピーク時、死亡率および病変の程度が異なっていた。死亡鶏の多くは亜急性漿膜炎型の大腸菌症を発症していた。接種経路による死亡率は、すべての株の筋肉内接種群、皮下接種群で高く、これは組織学的な心膜炎、肝被膜炎といった全身性の病変形成率でも同じであった。接種部における蜂窩織炎は弱毒株においても高率に発症しており、野外における蜂窩織炎には多くの種類の菌株が関与していることが示唆された。頭部皮下接種群では、眼瞼周囲の腫脹が多く認められ、頭部腫脹症候群は頭部創傷からの大腸菌感染によって発症することが再確認された。噴霧接種群では、細胞接着性の確認されたDa2株接種群のみで死亡が確認され、1例において気管粘膜上皮層の構築の崩壊と粘膜固有層での細菌増殖が組織学的に観察された。このことから呼吸器感染は容易ではなく、細胞接着性や組織侵入性を持つなどの特定の菌株に限られ、大腸菌症の感染ルートとして一般的に認識されている呼吸器からの感染については再検討すべきではないかと思われた。
索引語鶏大腸菌症;大腸菌分離株;接種経路;相違;病態;検討
引用文献数24
登録日2012年12月03日
収録データベースJASI, AGROLib

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