東京湾奥において小型底曳網により1988-99年に採集された魚類とその生息環境

東京湾奥において小型底曳網により1988-99年に採集された魚類とその生息環境

レコードナンバー830188論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20032174NACSIS書誌IDAA12209120
著者名米山 純夫
千野 力
竹之内 卓夫
村井 衛
書誌名東京都水産海洋研究報告
別誌名Tokyo Metropolitan Research on Fisheries Science
発行元東京都島しょ農林水産総合センター
巻号,ページ3号, p.13-62(2009-03)ISSN18815693
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抄録1. 東京内湾の5地点(羽田洲・羽田沖・15号地・三枚洲・お台場)で1988-99年に水温・塩分・DO・pHの観測と小型底曳網による魚類採集を行った。2. 12年間の平均表層水温は2月に9.18℃と最低,8月に25.72℃と最高であった。1993年は低温期(1-3月)平均水温が10.78℃と12年間で2番目に高く,高温期(7-9月)平均水温は21.86℃と12年間で最も低いという特異的な年であった。3. 表層平均水温と底層平均水温は3月には等しく,4月以後表層水温が高くなり,7月に温度差は2.58℃と最高に達した後減少に転ずる。10月以後は底層が表層を上回り1月に温度差は-0.96℃と最高になった。4. 表層塩分は地点別には河口域で変化が激しく,季節別には夏季を中心に大きく低下し,1日前の多摩川の流量との間に負の相関がみられた。5. DOは夏・秋季に低下し冬季に上昇する傾向がみられるが,特に底層水でこの傾向が顕著であった。6. pHは5-9月にしばしば低下するのに対し冬季は変化が少なかった。7. 小型底曳網調査による採集魚種数は87種,採集個体数は687,562個体,採集個体数第1位はマハゼで全体の67.3%を占め,第2位はエドハゼの13.0%,第3位はウグイ属の一種(マルタと思われる)の4.0%であった。上位10種の内訳はハゼ科6種(マハゼ,エドハゼ,アカハゼ,ニクハゼ,ビリンゴ,スジハゼ),ニシン目3種(サッパ,カタクチイワシ,コノシロ),コイ科1種(ウグイ属の一種)であった。採集魚の大半は仔稚魚であった。8. 上記魚種を除く漁業対象種の内,底層種8種(ギンポ,ハタタテヌメリ,ネズミゴチ,マコガレイ,シロギス,シログチ,マアナゴ,イシガレイ),表中層種3種(マイワシ,スズキ,メバル),およびアユの採集個体数が比較的多かった(0.25-0.01%)。9. 1993年は採集個体数が23万個体と最も多く第2位の1997年を2倍以上上回り,採集種数も48種と最も多かった。10. 採集個体数上位10種についてみると,ハゼ科魚類6種は1992-94年に採集個体数が多く,ニシン目3種は1994年,コイ科1種は1993年に採集個体数が多かった。11. 地点別の出現傾向をみると,採集種数・全採集個体数とも羽田洲と三枚洲で多く,お台場では少なかった。魚種別にも同じ傾向にあるが,羽田沖で採集率が高い種(マアナゴ),羽田洲・三枚洲に加え15号地でも採集率が高い種(ギンポ),明瞭な傾向がみられない種(ハタタテヌメリ,ネズミゴチ)も認められた。12. 採集個体数が1種1ケ月50個体を越えるものについて1δ指数をみると,該当する17魚種227ケースの内1例を除き1を越え,集中分布する傾向がみられた。13. 年間の採集個体数・種数に基づく地点間の類似度をみると,1991-97年には15号地とお台場の類似度が高く,羽田洲とそれ以外の地点の類似度が低かった。14. 月別採集魚種数の推移をみると,2-5月に大きなピークが,8月に小さなピークが現れた。15. 月別採集個体数の推移をみると,2-5月とりわけ3・4月に採集個体数が多かった。16. ハゼ科魚類6種の仔稚魚はスジハゼを除き春季に採集個体数が多く,メバルは冬季,ギンポ・アユ・マコガレイ・イシガレイは冬春季,スズキは春季,サッパ・マイワシ・マアナゴは夏期,コノシロ・カタクチイワシは春季~秋季,シロギス・シログチは夏秋季,ネズミゴチは秋冬季に採集個体数が多かった。17. 仔稚魚の生息水深は,概ね水深1.5m以浅に分布の中心があるもの;スズキ・シロギス・イシガレイ,3m以浅;エドハゼ・ビリンゴ・サッパ・コノシロ,汀線以深;マハゼ・ギンポ,1.5m~亜表層;カタクチイワシ,1.5m以深;アカハゼ・マコガレイ・ハタタテヌメリ・ネズミゴチと推定された。
索引語採集個体数;冬季;マハゼ;サッパ;仔稚魚;ハタタテヌメリ;マコガレイ;シロギス;マアナゴ;イシガレイ
引用文献数78
登録日2013年10月08日
収録データベースJASI, AGROLib

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