コムギ品種および加工食品におけるDNA品種識別技術の開発

コムギ品種および加工食品におけるDNA品種識別技術の開発

レコードナンバー831418論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20007675NACSIS書誌IDAA11636410
著者名藤田 由美子
書誌名近畿中国四国農業研究センター研究報告
別誌名Bulletin of NARO Western Region Agricultural Research Center
Bull. Natl. Agric. Res. Cent. West. Reg.
近中四農研報
発行元農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター
巻号,ページ11号, p.41-80(2012-02)ISSN13471244
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抄録本研究は,国内コムギ品種およびそれらを使用ししためんやパン,菓子などの加工食品について,原材料品種や産地に関する表示の信頼性を確保するため,コムギ品種識別技術を開発することを目的として実施した。まず初めに,コムギ加工食品から抽出したDNAの状態の確認とDNAマーカーの適用可能性を明らかにした。次に,EST-SSRマーカーを開発し,国内市場に流通する主要品種を網羅した品種識別技術を開発した。また,各種遺伝子領域からSNPを探索し,特定品種を簡易迅速に識別するDNAマーカーを開発するとともに,リアルタイムPCR法を用いた定量技術を開発した。研究成果を要約すると,以下の通りである。1. 既存のDNA抽出法を用いて,うどんやパン,クッキーなどのコムギ加工食品からDNAを抽出することが可能であった。2. 製粉された小麦粉ではDNAの断片化はほとんど確認されなかったが,パイなどの高温で加熱された食品ほどDNAは著しく断片化していた。3. DNAの断片化の程度が異なる多様なコムギ加工食品に対して,一般的に適用できるDNAマーカーの増幅産物長は,300bp程度であると推測された。4. 増幅産物長を300bp程度に設定し,イネやオオムギなどのDNAは検出しないコムギ特異性の高い10組のEST-SSRマーカーを開発した。5. EST-SSRマーカーを用いて,コムギ58品種(国内41,国外17)に関する遺伝子型カタログを作成した。これらを基に,国内外品種を識別でき,「ホクシン」や「小麦農林61号」などの主要国内品種を識別することが可能となった。6. 原材料品種名などの表示がある市販加工食品において,EST-SSRマーカーによる品種識別が可能であることを確認した。7. 国内15品種の原種・原原種を用いて,EST-SSRマーカーによる品種内多型の有無を調査し,これらの遺伝子座における品種内多型は極めて少ないことを確認した。8. 複数の品種で構成される輸入コムギ銘柄5種類についてEST-SSRマーカーによる遺伝子型を調査し,各銘柄におけるパターンの特徴や,輸入年度間の遺伝子型の変動を明らかにした。9. EST-SSRマーカーTaSE3は,主要な輸入コムギ銘柄において現在の国内品種では検出されない遺伝子型を示すことを確認した。10. 6種類の遺伝子領域から,8品種間において合計169bpのSNPを見出した。これらの蓄積した多型情報をもとに,将来的に普及する品種に対しても有用な識別マーカーを開発できると考えられた。11. SNPをDNAマーカー化することにより,パン用品種「ニシノカオリ」,「春よ恋」,「ハルユタカ」を,国内市場に流通する主要品種間において簡易迅速に識別できる技術を開発した。12. SNPをもとに,めん用品種「さぬきの夢2000」を主要品種と簡易迅速に識別するマーカーセットを開発した。また,リアルタイムPCR法を用いてSNPを量化し,「さぬきの夢2000」を定量する技術を開発した。
索引語EST;開発;SNP;DNA;SSRマーカー;識別;簡易迅速;確認;品種;技術
引用文献数64
登録日2013年10月08日
収録データベースJASI, AGROLib

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