自然物質を吸着剤としたバッチ試験によるリンの吸着実験

自然物質を吸着剤としたバッチ試験によるリンの吸着実験

レコードナンバー833494論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20002773NACSIS書誌IDAA11577672
著者名大川内 順也
Eljamal O.
平松 和昭
原田 昌佳
書誌名九州大学大学院農学研究院学芸雑誌
別誌名Science bulletin of the Faculty of Agriculture, Kyushu University
発行元九州大学大学院農学研究院
巻号,ページ67巻・ 2号, p.59-68(2012-09)ISSN13470159
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抄録化学肥料の主原料であるリン鉱石を取り巻く国際環境は悪化し,その使用量のほぼ100%を輸入に頼るわが国では,今後のリンの安定供給が不安視されている。一方で,貴重であるはずのリンは下水道へ大量に流入し,多くは海洋へ放出され,一部では濃度が高すぎるために海洋の富栄養化を招いている。このような状況で,安定した運用が見込まれ,かつ再利用しやすいリンの回収システムの構築はわが国においては急務となっている。本実験では,この回収システムの要である吸着剤として適当な物質の特定,その吸着動態の解析を行った。実験の対象物質としては,供給が安定し,再利用しやすく,また今後見込まれる石油の枯渇に影響が少ないという条件から自然物質であるおがくず,土壌,もみ殻,粉末大理石を選択した。これらの自然物質に対しPO4 3-水溶液において吸着実験を行った。その結果,粉末大理石のみが大きなリン吸着量を示したことから,異なる濃度における粉末大理石の吸着量を測定し,その動態解析を行った。吸着の課程を再現するモデルは,濃度に依存する反応速度論モデル,および吸着量に依存する吸着速度論モデルの2種類を用いた。これらのモデルはそれぞれ一次または二次反応と仮定した。吸着の平衡状態を再現するモデルは,吸着等温式の中から理論式のLangmuir型,および経験式のFreundlich型の2種類を用いた。それぞれのモデルを比較し,精度の良いものを選択した。比較の結果,吸着の過程の再現においては,反応速度論モデルと吸着速度論モデルの双方で二次反応がより高い再現性を示した。また,全濃度の平均の再現性では,反応速度論モデルより吸着速度論モデルの方が良好であった。また,吸着等温式による吸着の平衡状態の再現においては,理論式であるLangmuir型の方が経験式であるFreundlich型より,再現性が良好であった。本論文ではフラスコの中での物質と試験溶液を機械的に撹拌し反応を見たので,今後はより実践に近い環境における物質のリンの吸着効率の測定を行う方針である。具体的には,流水中または貯水中での物質のリンの吸着量を測定するための実験を行う。また今回は,初めに4つの自然物質を用意したにも関わらず,粉末大理石以外はリンの吸着が見られず,結果として粉末大理石のみの吸着動態の解析にとなってしまったため,他の自然物質からリンの吸着効率の高い物質を探し出すことも今後の重要な課題となる。
索引語リン;吸着;自然物質;物質;吸着量;モデル;再現;粉末大理石;実験;吸着等温式
引用文献数6
登録日2013年10月08日
収録データベースJASI, AGROLib

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