東北海区に来游するカツオのポピュレーションに就いて

東北海区に来游するカツオのポピュレーションに就いて

レコードナンバー843795論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20004301NACSIS書誌IDAN00167397
著者名川崎 健
書誌名東北海区水産研究所研究報告
別誌名東北海区水産研究所研究報告
巻号,ページ1号, p.1-14(1952-06)ISSN 
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抄録(1)用いた資料は1948年から1950年に至る3ヶ年間の体長及び体重の測定記録である。(2)考察は資料が相対的に多い3年魚に限られた。(3)個々の群(ナムラ)からの標本はそれらの群から構成されている単位ポピュレーション(同一ポピュレーション同一年令群のものをこう名ずける)からの標本とは認められないということが或る程度判明した。従って“異なる単位ポピュレーションは互に異る水域に分布する”という仮説の下に水域別に一括して取扱った。(4)相川が焼津の資料に就いて与えた3年魚の体長・体重範囲内に於いて、全く無理なく近海のものと沖合のものでは異なるモードが認められる。即ち8月に於て近海のものは体長で51~53cm、沖合のものは47~49cmの所にモードが認められ、それの時間的な推移にも無理が認められない。又肥満度に関しては前者は21、後者は22~23の所にモードを有し、1949年と1950年の資料に就いて要因分析を行ってみると、年による差は有意と認められないが、ポピュレーションによる差は極めて有意である。従って二つの単位ポピュレーションの存在を確認し、之を各近海群及び沖合群と名ずけた。(5)近海群と沖合群は部分的に相互に重なり合って居り、此の遷移帯の位置及び幅は黒潮勢力の消長と平行的に動搖する。即ち黒潮勢力の強い時には位置が沖に寄り幅が狭くなる。(6)沖合群と近海群の分布の相互関係は又餌付の良・不良群の分布と高く相関する。このことから沖合群は餌付がよく、近海群は悪いということが或程度迄推測せられる。このことには両群の東北海区以前に於ける洄游路及び東北海区に於けるカタクチイワシの分布が関係して居ると思われる。(7)以上のことから次の定式化が可能となる。即ち今近海群の大きさをA、沖合群のそれをBとし、Bのうちのアヴエイラブルなものの割合をpとすれば、アヴエイラブル ストックの大きさSは、S=A+pBとなる。又各年に於ける漁獲努力の大きさを一定とし、努力が全漁場に均一に加えられるものとする。Aに対する単位時間当りの平均漁獲率をfA、Bに対するそれをfB(fB>fA)とし、漁期の長さをt、t'とすれば、総漁獲量Cは、C=rf A A+t'f B pBとなる。fA・fB・A及びBを常数と考えれば、Cはt、t'及びpの函数である。此の際tとt'、pとは逆比的関係にある。(9)即ちカツオに於いては漁獲高の変動は必ずしも全ストック量の変動を意味せず、アヴエイラビリティの問題が相当大きな比重を持っているものと考えられる。
索引語沖合群;群;ポピュレーション;近海群;このこ;近海;沖合;体長;モード;東北
引用文献数7
登録日2014年08月22日
収録データベースJASI, AGROLib

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