1975年以降におけるベトナムの森林政策

1975年以降におけるベトナムの森林政策

レコードナンバー871818論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00006960NACSIS書誌IDAN00055178
著者名La V.H.H.
飯田 繁
書誌名九州大学農学部演習林報告 = Bulletin of the Kyushu University Forest
発行元[九州大學農學部附属演習林]
巻号,ページ86号, p.101-120(2005-03)ISSN04530284
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抄録(背景): ベトナムの森林面積は1990年頃が最低で917万haとされ,その外にも約1,000万haの未立木地が記録されている。この数値が妥当なものとするなら,10数年間に236万haの森林が増えたことになる。増加には2つの理由が考えられる。一つは統計様式や制度の違いに伴う増加(実質は増加していない),他の一つは最近における森林造成政策による実質的な増加である。筆者らは後者と想定し,その理由を解明しようと本研究に着手した。(研究目的): ベトナムの森林政策は激変の中で進められた。まず,1975年に南北が統一され,社会主義体制の下で10年余りが経過した。その期間に多くの森林が喪失されたが,90年代以降,森林は回復基調に向かいつつある。多くの発展途上国において森林が劣化・減少する中で,森林が回復していくことは重要なことである。そこで,本研究はベトナムにおける森林回復の理由を明らかにすることを目的とする。(研究方法): ベトナムは長い戦争を経験した後,資本主義的な生産関係のあった南部を統一し,社会主義的な生産関係を作り,さらにそれを変更するという歴史的な事業を遂行してきた。林業もその一環であり,制度面の変更が重要な課題となった。そこで何よりもまず法律,通達,行政システム等に着目し,ベトナムの林業発展を明らかにしようとするものである。(研究結果): 1975年の統一後,南部地域にも社会主義的システムが導入された。森林は国有化され,国営の森林管理署が設立され,林業生産の主要な担い手となった。他方,農村では合作社が導入された。しかし,農林業のみならず,多くの産業が停滞的で,経済は縮小傾向にあった。当然のことながら,植林活動は広がらず,逆に天然林の伐採や開墾が広がったため,1976年から1990年までの15年間に200万ha以上の森林が減少した。この時期における主要な林業問題は,森林減少をどのように阻止するかであったが,入植政策による農地の拡大,少数民族等による焼畑移動耕作の存在,植林や再生を伴わない伐採などのために成果を上げることができなかった。このような状況の中で,1992年,327プログラムが発表され,残された森林を保護するとともに,未立木地に対して大規模な森林再生・修復計画が策定された。さらに1997年には,いわゆる「500万ha国家植林計画」が公表された。2010年までに500万haの造林を行い,森林率を現在の28%から43%に高めるという計画であり,環境保護,経済開発,林業振興,貧困対策が目的であった。この「500万ha国家植林計画」には住民参加が不可欠であり,その仕組みを制度・政策面から明らかにした。
索引語森林;ベトナム;増加;理由;森林政策;制度;統一;減少;未立木地;生産関係
引用文献数10
登録日2014年07月18日
収録データベースJASI, AGROLib

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