シダレザクラ樹冠内での光環境と比葉面積およびSPAD値の関係

シダレザクラ樹冠内での光環境と比葉面積およびSPAD値の関係

レコードナンバー871843論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00006960NACSIS書誌IDAN00055178
著者名陶山 健一郎
作田 耕太郎
書誌名九州大学農学部演習林報告 = Bulletin of the Kyushu University Forest
発行元[九州大學農學部附属演習林]
巻号,ページ90号, p.39-49(2009-03)ISSN04530284
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抄録枝が下方に伸長する枝垂れ性樹木は,その特異的な樹形から樹冠内の光環境や枝上での個々の葉の形態,生理的特性が一般的な樹木とは異なると考えられる。本研究では,同所的に植栽されたシダレザクラとソメイヨシノ1個体ずつを対象にして,それぞれの樹冠の上部と下部を構成する枝上での相対光強度(RLI)に対する個々の葉の比葉面積(SLA)およびクロロフィル濃度の指標となるSPAD値との関係性について検討した。ソメイヨシノの樹冠では上部,下部の枝ともにRLIは枝の先端に向かって高くなった。一方,シダレザクラの樹冠では上部の枝で基部から先端部にかけてRLIは低下したが,樹冠下部の枝上でのRLIの変化は小さく,常に樹冠上部の枝よりRLIは低かった。ソメイヨシノのSLAは樹冠上部,下部ともに枝基部から先端にかけて小さくなった。しかし,シダレザクラのSLAは枝に沿った変化はほとんど無く,樹冠下部の枝のほうが上部の枝よりも大きかった。ソメイヨシノのSPAD値は樹冠上部,下部ともに枝の基部から中央部まで一定の値を示し,中央部から先端にかけて徐々に低下した。一方,シダレザクラのSPAD値は樹冠の上部,下部ともに枝の基部から先端部にかけて緩やかに低下していた。RLIに対するSLAおよびSPAD値の関係性については,SLAは両個体ともにRLIが高くなるにつれて低くなっていた。ソメイヨシノのSPAD値はRLIに対して負の関係にあったが,シダレザクラのSPAD値はRLIの値にかかわらず30-45前後の値を示し,両者に何らかの関係性は認められなかった。このように,シダレザクラとソメイヨシノの樹冠内の枝を基準とした光環境は明らかに異なっていたことから,光獲得に対して最適となる枝の成長や分岐の様式が両個体では異なる可能性が示唆された。両樹種ともSLAは光環境に対応して変化していたが,葉のクロロフィル濃度は,ソメイヨシノでのみ光環境との対応が認められた。その要因としてシダレザクラの枝垂れ性の原因となる枝内での植物ホルモンの不均一性が考えられた。
索引語枝;SLA;RLI;SPAD値;シダレザクラ;ソメイヨシノ;上部;値;光環境;樹冠
引用文献数26
登録日2014年07月18日
収録データベースJASI, AGROLib

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