植物の多様性の観点から人工林施業を考える

植物の多様性の観点から人工林施業を考える

レコードナンバー872901論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ00010758NACSIS書誌IDAN10164318
論文副題日本型「近自然施業」の可能性
著者名五十嵐 哲也
牧野 俊一
田中 浩
正木 隆
書誌名森林総合研究所研究報告
別誌名Bulletin of the Forestry and Forest Products Research Institute
発行元森林総合研究所
巻号,ページ13巻・ 2号, p.29-42(2014-06)ISSN09164405
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抄録現在は人工林にも多様な生物の生息場所としての機能が期待されている。そこで、施業によって人工林で多様な生物、特に植物の多様性を保全する可能性について既往の文献情報に基づいて検討した。人工林の特徴として第一に、通常の伐期では天然林のような垂直構造を持つ老齢林には到達しないこと、第二に、皆伐という撹乱の強度が空間的に均質で、かつ生物由来遺物が乏しいこと、第三に単一樹種の植栽のため林床の光環境や養分条件が均質なこと、が挙げられる。人工林の林分構造を複雑化して天然林性の植物の種多様性を増やすために、欧米の天然林で行われている近自然林業を日本での施業に援用するとすれば、第一に、伐期を延長すること、第二に、天然林のギャップ更新を模倣して人工的にギャップを形成することや帯状伐採を行うこと、第三に、人工林の収穫時に立木の一部や枯死木を林内に残すこと、などが有効と考えられる。一方で、日本の人工林で伐期を長期化することには風害などのリスクがあり、立木の一部や枯死木を林内に残す施業には虫害の発生するリスクがあることには留意しなければならない。また単に伐期を延長するだけでは種多様性が高まらなかった事例があること、適切なギャップ面積や伐採幅の指針がないこと、人工林の立木の一部を保残してもその種構成が単純であるため効果が限定的である可能性があること、など「日本型近自然施業」の確立に向けて解決すべき課題はまだ多い。
索引語伐期;人工林;植物;枯死木;可能性;施業;天然林;立木;一部;多様性
引用文献数107
登録日2014年09月25日
収録データベースJASI, AGROLib

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