ジャワ島の水汚染の背景としての農業と農村の水利用の実態

ジャワ島の水汚染の背景としての農業と農村の水利用の実態

レコードナンバー872921論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20005635NACSIS書誌IDAN00164184
論文副題インドネシア・ボゴール県Petir村の事例
著者名宮浦 理恵
林田 まき
横田 健治
書誌名東京農業大学農学集報
別誌名Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture
Journal of agricultural science, Tokyo Nogyo Daigaku
東京農大農学集報
東農大農学集報
農学集報
東京農業大学農學集報
発行元東京農業大学
巻号,ページ59巻・ 1号, p.52-62(2014-06)ISSN03759202
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抄録農業生産において農業資材の適正レベルの使用は環境負荷を低減させるための基本原則であるが,途上国における小規模集約的農業においては過剰な肥料や飼料の投入が散見される。特に,標高の高い地域での農業は,低地に居住する人々の生活の質(QOL)を守り生態系を保全するためにも,水質へのインパクトを最小限に抑えなければならない。本稿は,農生態学的視点で,農業が内包する環境負荷の側面を農村レベルで把握するため,インドネシア,ジャワ島西部の標高500m付近に位置するボゴール県Petir村を調査地とし,農業の中でもより水汚染の原因となりうる畜産と養魚および農村での水利用の実態を明らかにすることを目的とした。 Petir村の衛生設備の敷設状況は,上下水道が完備されておらず,全世帯の57%は湧水池から引き込む水を利用し,37%が井戸を利用していた。6割以上は家庭に私設トイレがなく,共同の場所を利用している。生活排水として推計104kg/ha/年の窒素が灌漑用水路や河川にそのまま流出していた。畜産は,農家の裏庭で数頭の緬山羊が舎飼いされているほか,在来鶏に加え,アヒル等の水禽が数から十数羽放飼されている。サツマイモの茎葉をヤギに給餌した場合,79%の窒素が残餌と糞によって未利用資源となる。内水面漁業では,平均約110m2の池を田畑の間に作り,コイ,グラメ,ティラピアなどを養殖している。養殖開始時に鶏糞堆肥を投入して魚の餌となる藻を発生させ,その後餌用ペレット,作物の茎葉を養殖池に投入して1年以内で1サイクル完結させる。養殖用の水は灌漑水路から引きこみ,1か月に一度池の水を水路に排出させる。投与された窒素分のうちの23%しか魚に利用されないため,残りは排水・土壌に流出しており,ボゴール県における養魚による窒素排出は3,260tと推計された。標高の高い地域での農業と生活排水による水汚染が少しでも緩和されるように,系内に存在する生活排水や畜産,養殖からの窒素を耕種部門にうまく取り込めるよう,飼料の改善や適正技術の普及が課題となった。外的投入資材の利用を低減し,未利用の地域資源の有効活用が図れるよう農業生態系内での循環が機能するようなアグロエコロジー(農生態学)的に安定した統合的ファーミングシステムの推進が必要である。
索引語利用;水;農業;窒素;投入;畜産;生活排水;農村;水利用;実態
引用文献数19
登録日2014年09月25日
収録データベースJASI, AGROLib

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