鹿児島県指宿市に侵入したイモゾウムシの定着に関する空間疫学ならびにリスク要因分析

レコードナンバー
873271
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ00014825
NACSIS書誌ID
AN00186121
論文タイトル(英)
Spatio-epidemiological and risk analysis of factors leading to the establishment of an invading population of the West Indian sweet potato weevil in Ibusuki city, Kagoshima Prefecture, Japan
本文言語
ja
著者名
西岡 一也 ; 坂巻 祥孝 ; 中村 孝久 ; 山口 卓宏
誌名
日本応用動物昆虫学会誌
別誌名
日本応用動物昆虫学会誌 ; Japanese journal of applied entomology and zoology
発行元
日本応用動物昆虫学会
巻号ページ
58巻・3号,p.237-247(2014-08)
ISSN
00214914
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PDF(2452KB)
DOI
https://doi.org/10.1303/jjaez.2014.237
抄録
鹿児島県指宿市で2008年11月に,植物防疫法により侵入とまん延を警戒する重要害虫に指定されているイモゾウムシが発生した(2012年3月根絶)。本稿では,発生地点と寄主植物地点の空間分析と,市民からの聞き取りに基づいた疫学調査(症例対照調査)を組み合わせて,本種の定着に関する3つの仮説の検証とそのリスク要因の推定を試みた。本種の発生は,サツマイモ(46地点)と野生寄主植物のノアサガオ(4地点)で認められた。本種の発生頻度は,野生寄主植物よりサツマイモで有意に高かった。また,本種発生地点のサツマイモ栽培の多数が殺虫剤を使用しない,自家消費が目的の栽培であった。さらに,寄主植物と発生地点の空間分析を行った結果,サツマイモ地点は36m間隔(中央値)で集中分布していた。本種の定着のためには,農薬を使用しない自家消費目的のサツマイモは好適な寄主植物であり,本地域ではこのようなサツマイモが自力移動の可能な範囲内に集中していたと考えられた(仮説(1))。発生地点において,冬期に塊根をサツマイモ圃場内で貯蔵を行った地点の被害率は貯蔵を行わなかった地点よりも有意に高く,貯蔵場所から発生地点までの距離と被害率には負の相関関係を認めた。塊根の貯蔵場所は本種の越冬場所としての働きを担っていたと推察された(仮説(2))。本種に対する調査対象地域の住民の認識は非常に低く,被害塊根を知らずに塊根の廃棄や授受を行っており,本種の移動と分布の拡大には人間活動の関与が示唆された(仮説(3))。定着の要因を過去に遡って検証(症例対照調査)した結果,「殺虫剤を使用しない栽培」,「自家消費が目的の栽培」および「塊根の圃場内貯蔵」の関与が示唆された。
引用文献数
28
登録日
2014年10月29日
収録データベース
JASI ; AGROLib