選抜マーカーの作出と新品種育成システムの開発(4)
選抜マーカーの作出と新品種育成システムの開発(4)
レコードナンバー | 873808 | 論文タイプ | 学術雑誌論文 |
---|---|---|---|
ALIS書誌ID | ZZ20025129 | NACSIS書誌ID | AA12180299 |
論文副題 | 戻し交配3世代におけるイノシシアレルの効果 | ||
著者名 | 新居 雅宏 谷 文雄 森 直樹 | ||
書誌名 | 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所研究報告 = Bulletin of Tokushima prefectural Agriculture, forestry and fisheries technology support center livestock research institute | ||
別誌名 | 徳島県畜産研究所研究報告 Bull. Tokushima. Pref. Lives. Res. Ins. 徳島畜研報 | ||
発行元 | 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所 | ||
巻号,ページ | 8号, p.19-24(2010-01) | ISSN | 18812619 |
全文表示 | PDFファイル (425KB) | ||
抄録 | DNAマーカーアシスト導入3世代目同士の交配によるF1についてイノシシアレルの効果を第6,8および15染色体について検証した。形質の調査頭数は117頭でアレルの判定は8種類のDNAマーカー型により行った。1) 第6染色体上のSW1353マーカー型によりMinolta a*値およびヘマチン含量(mg/100g)を集約すると,イノシシ由来のマーカーをホモ接合型(WB/WB)で持つ群が最も大きく,イノシシ-大ヨークシャーヘテロ接合型(WB/W),大ヨークシャーホモ接合型(W/W)の順に小さくなり,本領域のイノシシアレルはF2家系QTL解析の結果と同様に肉の赤さとヘマチン含量を高める効果が示された。2) 第8染色体はS0069マーカー型により1日平均増体重(g)(ADG),と体長を集約した。結果,WB/WB,W/WBおよびW/W間に差がみられ,WB型を持つことにより,ADGおよびと体長が小さくなった。3) 第15染色体には,肉質(pH,Minolta b*値等)および脂肪形質(脂肪融点,脂肪酸組成等)に関わるQTLが検出されていたので,それぞれについて効果を検証した。肉質についてはSW1945マーカー型により形質を集約した。pHについてはW/WとW/WBおよびWB/WB間に差がみられ(P<0.01),F2家系におけるQTL解析結果のとおり,WB型を持つことでpHが高くなった。脂肪はSW964とSW1945の2つのDNAマーカーにより,脂肪融点および脂肪酸組成について集約した。結果,背脂肪外層,背脂肪内層および腹腔内脂肪ともに融点および複数の脂肪酸で差がみられ,イノシシアレルが飽和脂肪酸と脂肪融点を高める効果を示した。これらのことより,イノシシと大ヨークシャーを祖父母としたF2家系における第6,8および15染色体に検出されたQTLは戻し交配を進めた家系においてもマーカー型間に形質の差が認められ,QTLの存在が実証された。また,第6および15染色体のQTLにおけるイノシシ由来染色体は栄養学的および品質面からも優れた効果が推察され,DNAマーカーアシスト導入法の育種改良への有効性が示唆された。 | ||
索引語 | イノシシアレル;QTL;効果;a*値;大ヨークシャーホモ接合型(W/W);b*値;集約;差;ADG;と体長 | ||
引用文献数 | 14 | 登録日 | 2015年01月20日 |
収録データベース | JASI, AGROLib |