チャの有機栽培がダニ類と吸汁性害虫の密度に及ぼす影響

チャの有機栽培がダニ類と吸汁性害虫の密度に及ぼす影響

レコードナンバー890957論文タイプ学術雑誌論文
ALIS書誌IDZZ20522941NACSIS書誌IDAA12675451
論文副題ミネラルバランス仮説の検証
著者名末永 博
田中 正一
上室 剛
尾松 直志
長ケ原 智
後藤 忍
書誌名鹿児島県農業開発総合センター研究報告
別誌名Bull. Kagoshima. Pref. Ins. for Agri. Dev.
鹿児島農総セ研報
発行元鹿児島県農業開発総合センター
巻号,ページ9号, p.21-30(2015-03)ISSN18818609
全文表示PDFファイル (209KB) 
抄録チャの有機栽培がダニ類と吸汁性害虫の発生量に及ぼす影響をミネラルバランス仮説の観点から調べた。チャ園(52×18m)に,有機栽培防除区(有機JAS認証薬剤を散布)と有機栽培無防除区,および慣行栽培の3処理を2反復ずつ配置し,さらに各処理を牛ふん堆肥の追加施用の有無に2分割した。試験開始後2~4年目に,ダニ類と吸汁性害虫の密度および土壌の化学性,チャ葉のミネラル成分の含有率を調べた。その結果,有機栽培はチャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans Kadono)の密度を慣行栽培に比べて有意に抑制した。しかし,カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai Kishida)に対してはそのような効果はなかった。一方,牛ふん堆肥は慣行栽培区で追加施用すると,一部の調査でチャノナガサビダニの密度を無施用区の50~60%に抑制し,有機栽培区で追加施用するとカンザワハダニの密度を有意に抑えた。しかし,チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii Matsuda)とチャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis Hood)に対しては,有機栽培も牛ふん堆肥の追加施用も効果は確認できなかった。表層土のpH,Ca含有量,およびCa/Mg・Ca/K比は有機栽培区が有意に高いか,あるいは高い傾向にあった。チャノナガサビダニが発生していた新芽のミネラル成分は,Ca含有量(一番茶)のみが有機栽培区で有意に多く,逆に窒素(一番茶)は有機栽培区が有意に少なかった。新芽のミネラル含有量の比(ミネラルバランス)は一,二番茶では処理間に有意差はなかったが,三番茶になると有機栽培区ではMg/K比が低下した。堆肥を追加施用すると三番茶新芽のMg含有量とMg/K比は有意に増加し,Ca/Mg比は逆に低下した。以上の結果,有機栽培はサビダニ類の密度を抑制し,牛ふん堆肥もサビダニ類やハダニ類の密度をある条件下で抑制することが示唆された。さらに、有機栽培や堆肥の害虫制御効果とチャ葉の栄養成分含量との間に関連性も示唆された。
索引語有機栽培;密度;吸汁性害虫;チャノナガサビダニ;Ca;追加施用;有機栽培区;ダニ類;牛ふん堆肥;抑制
引用文献数23
登録日2015年05月22日
収録データベースJASI, AGROLib

論文アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat