肉用牛における飼育環境に応じた発酵床の管理法

肉用牛における飼育環境に応じた発酵床の管理法

タイトル肉用牛における飼育環境に応じた発酵床の管理法
要約発酵床では厳寒期を除き乾物分解が進み、敷料追加による水分調整と表層部撹拌により 床を維持することが可能である。ふん尿負荷や水分蒸発量を推定し、床の水収支を計算することで 飼育密度や畜舎環境に対応した敷料使用量を算出できる。発酵床導入によりふん尿処理に関す る労力・コストが低減される。
キーワード家畜ふん尿、肉用牛、発酵床、水分蒸発量、飼育密度、敷料
担当機関道立畜試 環境草地部 畜産環境科
連絡先 01566-4-5321 / watanobe@agri.pref.hokkaido.jp / watanobe@agri.pref.hokkaido.jp
区分(部会名)北海道農業
分類技術、普及
背景・ねらい発酵床方式は家畜飼育とふん尿処理を同時に行なうことが可能であり、ふん尿処理にかかわる 労力やコストの低減が期待される。そこで、発酵床で肉用牛を飼育し、発酵促進技術や発酵の様 相、水分の変化などを検討し、飼育環境別(飼育密度や乾燥処理の有無など)の床管理について 検討した。
成果の内容・特徴1. 発酵床方式により肉用繁殖牛および肥育牛を占有面積 9.6~19.2(m2/頭)で飼育した場合、週
1 回の床撹拌および適宜敷料(オガコ)追加を行なうことで床を泥濘化させずに維持管理するこ とが可能である(表 1)。また、牛の健康・衛生状態への顕著な影響は観察されない。ふんの推 定乾物分解率(ナイロンバック法)は夏季約 50%(91 日間)、冬季約 10%(91 日間)であり、発酵 が進む。
2. 水分蒸発量は畜舎環境、季節により大きく異なる (表 2)。発酵床では、ふん尿により負荷さ れる水分が蒸発する。蒸発量が足りない場合には、敷料を追加して発酵できる状態に 維持している。そのため 1 頭当たりの牛床面積を広くすると 1 頭当たりの蒸発量が多 くなり、敷料量を節減できる(表 3)。
3. 測定した蒸発量と気象データを利用して水分蒸発量を推定する重回帰式を作成した。推定し た水分蒸発と文献値から把握したふん尿排せつ量や堆肥化に伴う蒸発量を利用して床での 水収支を計算することで、床を発酵に必要な水分率に維持するために必要な敷料量を把握す る敷料使用量推定シート(エクセル)を製作した。このシートでは月別の必要敷料量、年 間の床の上昇量を推定することが可能である。
4. 床表層部(表面から 30cm 程度まで)は順調に堆肥化が進行(乾物分解率約 30%(68 日間))し、 牛不在時に発酵床を堆肥化施設として利用できる。また、堆肥化が終了した発酵床にふん尿 を添加することで再発酵が開始し、発酵床としての再利用が可能である。
5. 発酵床の導入により、ふん尿処理に関する労力と堆肥舎や敷料にかかるコストが低減される。 発酵床方式では飼育密度を低下させると、畜舎コストが増加するが、堆肥舎や敷料費など堆 肥化にかかわるコストが減少する(表 4)。
成果の活用面・留意点1. 発酵床方式における飼育密度、飼育環境に対応した床の管理法(敷料量や作業頻度など)の
目安を把握することができる。
予算区分道費
研究期間1999~2003
研究担当者阿部英則、田村忠、渡部敢、湊啓子
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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