浅耕代かきによる泥炭地産米の低タンパク化技術

浅耕代かきによる泥炭地産米の低タンパク化技術

タイトル浅耕代かきによる泥炭地産米の低タンパク化技術
要約耕起代かきの深さを慣行の13~15cmから8~10cmに浅くすると、作土層の窒素濃 度の上昇による初期生育向上、土壌窒素吸収量の抑制により、産米の低タンパク化が図ら れる。浅耕代かきの継続によりタンパク質含有率はより低下する。
キーワード浅耕代かき、タンパク質含有率、窒素吸収量、泥炭地
担当機関道立中央農試 生産システム部 栽培システム科
連絡先 0126-26-2109 / watanayj@agri.pref.hokkaido.jp / watanayj@agri.pref.hokkaido.jp
区分(部会名)北海道農業
分類技術、普及
背景・ねらい米の品質、食味を評価する指標は米粒中のタンパク質含有率が重要で、一般的にタンパ ク質含有率が低い米ほどおいしくなる。そこで、土壌からの窒素吸収量を抑制し、米粒タ ンパク質含有率の低下を図るために、耕起・代かきの深さを浅くすること(浅耕代かき) による根域制限を試みるとともに、その継続効果を検討した。
成果の内容・特徴1.水稲の初期生育は全量全層施肥、全層・側条施肥併用において、慣行(耕起深 13~15cm)
に比べて浅耕(同 8~10cm)でやや向上し、泥炭土では浅耕年数の増加に伴い一層向
上する(表1)。 2.成熟期の窒素吸収量は、慣行に比べて浅耕で減少し、浅耕年数の増加に伴いより減少
する(表1)。浅耕による窒素吸収量の減少程度は、泥炭土よりグライ土で大きい。 3.泥炭土の精玄米重は、慣行に比べて浅耕で同等からやや減少する(表1、図1)。グラ イ土の精玄米重は浅耕によって減少し、また浅耕年数の増加に伴い顕著に減収する。
褐色低地土でも浅耕によって減収する傾向にある。 4.タンパク質含有率は全量全層施肥、全層・側条施肥併用において、慣行に比べて浅耕
で低下する(表1、図1)。泥炭土では浅耕年数の増加に伴いタンパク質含有率の低下
がより明瞭となり、グライ土、褐色低地土では継続効果は判然としない。 5.水稲の根重割合は、浅耕によって表層で増加し、下層で減少する傾向にある(図2)。
泥炭土では浅耕年数の増加に伴い、その傾向がより明瞭になる。グライ土では泥炭土
に比べて浅耕 1 年目からの根域の抑制効果が大きい。 6.土壌硬度は浅耕により表層、下層ともに増加する。泥炭土では経年的に徐々に硬くな
る傾向にあるが、グライ土では浅耕 1 年目から硬く、浅耕の継続効果は判然としない。 7.全層施肥条件における生育初期の表層土壌中アンモニア態窒素は、慣行に比べて浅耕
で増加し、また浅耕年数に伴い増加する傾向が見られる(図3)。
成果の活用面・留意点1.本技術は泥炭土など窒素地力が高く、低タンパク米生産が困難な圃場に活用する。 2.全量側条施肥条件では、浅耕代かきによる産米の低タンパク化は判然としない。 3.浅耕は深さ 8~10cm でのロータリー耕とし、それに伴い代かき深さも浅くする。 4.浅耕による土壌還元の助長を回避するため稲わらは搬出する。
予算区分道費(重点領域)
研究期間2001~2003
研究担当者安積大治、古原洋、後藤英次、田中英彦、渡辺祐志
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat