霧に対する作物の生育反応調査のための人工霧発生装置の開発

霧に対する作物の生育反応調査のための人工霧発生装置の開発

タイトル霧に対する作物の生育反応調査のための人工霧発生装置の開発
要約 霧の多発する中山間地農業の振興には、霧が作物生育に及ぼす影響を解明する必要がある。しかし、霧を安定的に発生させて、その影響を調査する方法が未確立なので、細霧発生装置を用いて、パイプハウス内に安定的に人工霧を発生させる装置を開発した。
担当機関中国農業試験場 地域基盤研究部 気象資源研究室
連絡先0849-23-4100
区分(部会名)中国農業
専門農業気象
研究対象野菜類
分類研究
背景・ねらい 中山間地では、局地気候を資源として活用する環境保全型農業の展開による低コスト・安定生産と高付加価値化の同時実現が大きな課題である。しかし、中山間地を特徴づける多湿・霧環境については、試験場などでその環境を再現することが容易でないために、作物の生育反応の調査が進まず、導入適作物の選定が遅れている。そこで、温室の簡易冷房や苗の順化に利用される細霧冷房装置を活用して、簡易に多湿・霧環境を模擬的に再現する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. パイプハウスの側壁部に、寒冷紗で覆った人工霧を発生する小部屋を設け、2m間隔に細霧冷房用ノズル(ホルテックⅢ型、10気圧で作動)を2段に配置する。大粒の霧は寒冷紗で取り除かれ、ボタ落ちなどの落下水はマルチで排水溝から排出される(図1)。この結果、ハウスの換気扇による空気の流れに乗って、空中浮遊性の霧だけが室内に導入され、土壌水分の上昇を避けることができる。
  2. 100㎡のパイプハウスに必要な人工霧発生用動力噴霧機は、1/2馬力と小型で十分なため、設置費は25万円以下と安価である。
  3. 本装置を用いて、15時から18時の間と6時から8時の間に人工的に霧を発生させた場合、日平均気温は0.1℃程度しか変化せず、相対湿度の変化も数%以下である(図2)。
  4. 本装置を用いて、人工霧を発生させた場合(処理区)とさせない場合(対照区)の葉根菜類の生育反応を調査した。霧の発生は必ずしも生育を抑制せず、生育を促進する場合もある(表1)。
成果の活用面・留意点 本装置で模擬的に実現できる環境は、多湿と霧の発生で、日射環境は寒冷紗の設置など別途考慮が必要である。霧の発生量の精密な調節には電磁弁や作動時間の制御が必要になる。また、蒸散が抑制されることによる土壌の乾燥の遅れは必然的に生じる。
具体的データ
(図1)
(図2)
(表1)
予算区分経常研究
研究期間1996~1997
研究担当者大原 源二、米村 健
発表論文細霧冷房装置の利用による人工霧の発生とそれによる多湿・霧環境に対する葉根菜類の生育反応の調査(平成9年度農業気象学会講演要旨集)
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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