大区画ほ場整備後の農地利用調整手法と省力低コスト稲作

大区画ほ場整備後の農地利用調整手法と省力低コスト稲作

タイトル大区画ほ場整備後の農地利用調整手法と省力低コスト稲作
要約大区画ほ場整備を実施した後、所有権と利用権を分離し、農地を所有する全農家が加入する農区が主体的に利用調整を行い、集落水田の多くを営農組合が経営受託することにより、従来の個別水稲経営に比べ大幅な省力低コストが実現できる。
担当機関京都府農業総合研究所 企画経営部
連絡先0771-22-0425
区分(部会名)中国農業
専門経営
研究対象水稲
分類普及
背景・ねらい 省力低コスト稲作をめざして大区画ほ場整備(平成4~5年)を実施した福知山市興集落においては、水田の所有権と利用権を分離し、集落の農家組織である農区が主体的に利用調整を行いモデルとなる成果をあげているので、その手法を明らかにし、同様な条件を持つ他地域への参考とする。
成果の内容・特徴
  1. 農区は集落内の全農家60戸で構成され、内部組織に転作等農業振興事務や農地利用調整を行う農政部と利用調整に基づき経営・作業受託を行う営農組合を持つ(図1)。
  2. 調整は3年毎に行われ、第1期(平成6~8年度)、第2期(平成9~11年度) とも農区が委託希望者から委託先と面積を調査するとともに、受託希望者からも耕作希望面積を聞き、話し合いによる集落合意を基本に利用調整を実施する。
  3. ほ場整備直後の第1期には、営農組合が集落水田の66%を経営受託し、地主へは自主流通米30kg相当の協定地代に加えて、毎年約2万円の配当を分配できた。そのため、第2期では営農組合への委託希望面積が20.3haとなり、集落水田の80%に達した。
     一方、受託希望面積が充足できない個人営農者に対しては、営農意欲の尊重とその経営を守る立場から、営農組合が受託した面積の中から一部 (1.3ha)を再委託している。
     その結果、組合としては第1期より 2.2ha増の19.0ha(75%)を経営受託することとなった(表1、図2)。
  4. 営農組合による水稲経営は、規模拡大や団地化で機械・施設の効率的な利用ができ、作業時間の大幅短縮による省力低コストを実現し、米価の低下にもかからず機械装備の拡充と地主への配当金の支給が可能となる(表2)。

成果の活用面・留意点
  1. 集団営農と個人営農との共存により地域農業の振興を図ろうとする場合には、本事例のように、集落の全農家で組織する農区に、農地の利用調整権限を全面的に委ねるこのシステムが参考になる。

具体的データ
図1
表1
図2
表2
予算区分国庫補助事業(農業経営育成生産システム確立推進事業)
研究期間1997~1997
研究担当者宮崎 猛(京都府立大)、小倉 訓、小倉孝保
発表論文大区画ほ場整備の農地利用調整手法と経営成果-京都府福知山市興(おき)集落の事例-、農業経営通信、184、1995.
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

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